昨年11月に右ひじの手術を受け、宮崎キャンプではリハビリ組中心のB組で1軍復帰を目指しているソフトバンク・柳田悠岐外野手(27)が、ペースダウンを余儀なくされている。
キャンプ初日ではフリー打撃で103発の柵越えを披露。その勢いに乗って調整を続け「ひじは全然問題ない。想像以上です。痛みもない」と強調。現在の実戦ではDHで臨んでいる。
だが、守備ではひじの張りからノースローが続いている。3月に予定される日本代表の強化試合・台湾戦への参加を打診されていたが、すでに辞退している。そんな状況を受け、工藤監督は開幕戦はDHでの起用を検討しているという。その主因はこれまでのオーバーペースにあるようだ。
昨年11月に受けた手術の段階で、トレーナー経験のある球界関係者は「患部は非常にデリケートな場所。完治させないと後々まで響く。自主トレから春季キャンプまで調整は慎重を期すべきだ」と警鐘を鳴らしていた。さらに現状の柳田に対しても「明らかなオーバーペースとオーバーユース。フルスイングを続けていたら、もっとひじの炎症が深刻になる可能性がある。今は一生懸命やる時期ではない」と警告するのだ。
今後の実戦はDHでの出場が濃厚だが「打つことには負担がかからないが、痛くないはずがない。問題ないからとバットを振ってガンガン打ち込むことは絶対に避けた方がいい。炎症が悪化する」(同)と強調する。
開幕があと1カ月に迫る中で生じた誤算。今後の調整を間違えると、シーズン中に“試練”が訪れる可能性がある。 (スポーツライター・梶原昌弥)