イチローの500盗塁が評価されるワケ 世界の盗塁王はタブーを冒し“事件”発生

2016.05.08

イチローの500盗塁到達は過去の偉大の選手に勝るとも劣らない(AP)
イチローの500盗塁到達は過去の偉大の選手に勝るとも劣らない(AP)【拡大】

 メジャー通算500盗塁を達成したマーリンズのイチロー外野手が盗塁に対する信条について、「バカな盗塁はしない」と語っていた。その言葉を聞いて、世界の盗塁王リッキー・ヘンダーソンをふと思い出した。

 1979年、アスレチックスでデビュー。91年に大リーグ記録の通算938盗塁を誇るルー・ブロック(元カージナルス)を超え、93年には福本豊(元阪急)が持つ通算1065盗塁の日本記録も更新。名実ともに世界の盗塁王に輝いた。

 ブロックの19年に対し13年というスピード記録で、最終的に1406盗塁まで記録も伸ばした。ただし、すべての盗塁が称賛されたわけではない。どんな状況でもお構いなく走り、不文律のタブーを冒し“事件”が発生したこともある。

 2001年、パドレス時代のブルワーズ戦での出来事だ。7回表に12−5と大量リードの場面で当時42歳の大ベテランが出塁し、すかさず二盗。すると、相手のデイビー・ロープス監督は激怒。試合を中断し、二塁上のヘンダーソンに詰め寄ると、「次の打席で覚悟しておけ!」と報復死球を予告した。野球のルールと同じぐらい厳格な不文律に抵触したとして脅迫を受けたのだ。

 本人は「タイ・カッブの通算得点記録に少しでも近付くために得点圏まで行きたかった」と弁明。だが、どんな理由があろうと、暗黙の掟を無視したプレーは絶対に許されない。結局、彼はすぐに交代を命じられて事なきを得たが…。

 ちなみに、前記録保持者のブロックも暗黙のルールを破ったことがある。67年のレッズ戦で逆転の可能性がないぐらいの状況で盗塁を試みた。そのあと打席に立ったとき、相手投手からビーンボールを受けた。

 このように殿堂入りした偉大な盗塁王たちでさえ相手をあざけるプレーを行ってきたのに対し、イチローは勝利の喜びを盗む盗塁を一切行わず、新たな金字塔を打ち立てたことに大きな意義があると感じた。 (大リーグ評論家・福島良一)

 

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