米国で語り継がれる究極の「27奪三振」ピッチング

2016.05.15

 ナショナルズの先発右腕マックス・シャーザーがメジャータイ記録の20奪三振をマーク。だが、かつてマイナーリーグに27三振を奪った剛腕がいた。“ロケット・ロン”ことロン・ネッチアイだ。

 1950年、パイレーツに一塁手として入団したが打撃不振で投手に転向。長身から投げ下ろす速球とカーブを武器に頭角を現し52年、19歳のとき傘下のD級ブリストルで開幕4連勝。43回で109個と驚異の奪三振を誇った。

 5月13日、本拠地でのウェルチ戦で1回から3者連続奪三振と上々の立ち上がり。だが試合前から持病の胃潰瘍に悩まされ、試合中も胃の痛みを訴えた。そこで監督からチーズをもらい続投。これが効いたようだ。

 序盤は内野ゴロ1つを除いてすべて三振。中盤以降、相手はバント作戦に出たがファウルにするのが精いっぱい。8回まで2四死球と1失策だけでヒットを許さず、実に24アウト中23個が三振。まるでアニメの世界で見る奪三振ショーだ。

 9回も簡単に2者連続三振。最後のバッターも空振り三振で試合終了と思いきや、わざと捕手が捕逸して振り逃げ。次の打者から三振を奪い、何とノーヒットノーランに加えて27奪三振という初の偉業を成し遂げた。

 ちなみに、次の先発試合もヒット2本を許したが24奪三振の快投。2試合で合計51奪三振と2度と破られない記録を樹立。ブランチ・リッキー代表は「これまで見てきた投手の中でベスト3に入る」と賛辞を贈った。

 8月に大リーグでデビュー。全米の注目を集めたが、12試合に登板して1勝6敗、防御率7点台。54回で奪った31三振より多い32与四球という荒れ球ぶり。若い剛腕投手にありがちな制球難にあえいだ。その後にひじを壊し、夢の舞台に戻ることなく23歳の若さで引退。メジャーで1勝しかできなかったが、米プロ野球史上唯一の1試合27奪三振という究極のピッチングは後世に語り継がれている。 (大リーグ評論家・福島良一)

 

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