就任1年目にチームを4年ぶりのBクラスに転落させる結果となった阪神・金本知憲監督(48)だが、周囲の評価は意外に高い。
5日には大阪市内で坂井オーナーにシーズン終了報告。補強がままならず戦力がそろわなかったことに「苦労をかけたね」とねぎらいの言葉をかけられた。普段チームの成績不振に敏感に反応する、ナイター中継のスポンサーも、1年目の金本阪神に“合格点”を与える。
在阪メディア関係者は「例えばラジオ中継は、1試合平均10社ほど提供がつきます。阪神戦中継は、局の大きな収入源に直結する重要コンテンツです」と説明。
現在、来季の中継へ向けて営業をかけている最中の時期だが、「この成績でも、今季並みかそれ以上のスポンサーが集まりそうで助かる」と胸をなで下ろしている。
要因は、金本監督のネームバリューにある。「企業の予算を握る担当者には、金本監督と同世代の方もおり、その手腕に共感している。現役時代同様に人気があり、こちらがサイン色紙やボールを贈呈すると大変喜んでもらえる。和田前監督、真弓元監督時代にはなかった現象です」(同)とホクホク。
チームもベテランから若手に顔ぶれが変わり「高山、北條らフレッシュな選手も多く新鮮さを感じている」(同)。
金本監督自身「(今季は)率直に言うと、苦しく、辛い、我慢(の1年)。けれど、若手が育ったので楽しいシーズンでもありました」と笑顔をみせた。来季も同様となればともかく、1年の低迷だけで“切り札”への期待感はそう衰えるものではないようだ。 (山戸英州)