−−現役時代に広島から阪神へFA移籍した金本監督も良い手本
「金本監督のように根性があれば阪神でも打てるだろうが、なかなか難しい。今まで何もプレッシャーのかからない状況で野球がやれていたのだから。平塚さん(現阪神スカウト)【※注2】に話を聞くのもいい。当時『闘争心で相手が攻めてきたから、闘争心で打ち返した』と話していた。これを大事にしていたから好成績を残せた」
−−ところで、オリックス時代に6年間同僚だった、5歳下のイチロー(米大リーグ・マーリンズ)はいまもメジャーの一線で活躍中
「彼とは仲も良かったし嫌いではないよ。でも、過大評価されているのではないか。集中力はものすごくあるよ。その一方で闘争心がない。ビハインド(劣勢の試合)のチャンスで打席が回ってくると、あれだけのヒットメーカーなら安打狙いでいいのに、四球を選ぼうとする。あるいは凡打する機会が多かった。不調やレベルの落ちる投手に対しては打ちまくるが、抑えが出てきたらからきし。数字上はトータルで良い成績が残るから称賛されるのだろうけど、世間も中身を精査して騒がないとね」
【注1】野村氏の在籍当時、強打を誇ったオリックス打線の異名
【注2】平塚克洋氏。横浜(現横浜DeNA)、オリックス、阪神、西武を渡り歩き勝負強い打撃で活躍。阪神時代の1997年にオールスター出場。