今季の阪神はひと味もふた味も違う。福留、鳥谷、糸井らベテランの頑張りに加え、何より高山、中谷、原口、北條、ドラフト5位ルーキーの糸原(JX−ENEOS)ら若手が続々と台頭し、ファンの夢をかき立てている。思い切った若手登用も功を奏し、首位広島に1ゲーム差の2位につけて30日からセ・パ交流戦に突入。その原点であるファームを預かるのが、かつてのミスタータイガース、就任2年目の掛布雅之2軍監督(62)だ。育成の秘訣、近未来の構想などを聞いた。
−−阪神の球団史上、これほど若手が一斉に開花する例は過去になかったのでは
「金本監督のチーム改革にかける熱意と勇気ですね。昨年、ファームから推薦した若手をすぐに上で使ってくれた。チームの勝利のためには、実績のない若手を起用するのはすごく勇気が要ったと思うんです」
−−昨年の布石が、今季実りつつあると
「そう。昨年、中谷あたりが1軍で起用されたことで、ファーム内に次は俺たちも、というムードが生まれたし、育成選手だった原口が捕手として抜擢されたことで、同じポジションの梅野が刺激を受け、今年の頑張りにつながっている。ファームの活性化にもつながってます」
−−これから1軍に上がってきそうな選手は
「去年1軍でホームランを2本打った陽川(4年目)は、いまタイミングの取り方を変えているところですが、飛ばす力は抜群です。そして、なんと言っても楽しみなのは、ドラフト1位ルーキーの大山(内野手=白鴎大)ですね」