復活へ向けてやれることはなんでもやってみようという考えから、昨秋約5万円自腹を切って血液を米国の検査機関に送ったところ、斎藤の場合は卵に対する遅延性アレルギーが5段階評価で最も強い『5』と診断されたという。
卵の場合、体内にできた抗体が消えるまで半年間が必要とか。あまりに身近な食材なだけに食事をするにも「気の休まるときがなかった」と苦笑いを浮かべる。苦労の甲斐あって、4月には体質が改善。この日の試合後も「効果はあったと思います。(集中力が)切れなかった」と手応えを口にした。
一般的に食物アレルギーというと、卵、大豆、牛乳、そば、えび・かになどを食べたときに起こるじんましん、かゆみ、呼吸困難などの症状を指す。すぐに症状の出るものを即時型アレルギー、食物などを摂取後、数時間から数週間たってから出現するものを遅延型アレルギーと呼ぶ。
御茶ノ水聖橋クリニックの医師、林同文氏は「症状は頭痛、めまい、だるさ、肩こり、疲労感など。食事を摂取してから時間がたっているので、本人も医師もわかりづらい。毎日食べているものに原因があることもしばしばなので、こうなると自分は体が弱いのだと解釈して生活している場合もある」と説明。
「有名なのはプロテニスプレーヤーのジョコビッチです。小麦のグルテンが原因の遅延型フードアレルギーであることがわかり、食事を改善して世界一になった。グルテンは摂取しないようにしてから、症状が改善するまで1カ月ぐらいはかかるといわれる。これは専門家の指導で食事を改善をしないと、なかなかできない」という。