カーリング女子の1次リーグは17日(日本時間18日)、世界ランキング9位の日本代表「チーム青森」が同1位の地元カナダに6−7で競り負け1勝1敗。惜しくも金星を逃した。だが勝っても負けても平均2時間半の試合が、少なくともあと7度はテレビ中継される。夏・冬を通じた五輪全種目で最強の露出力で、前回トリノ五輪以上のブームは間違いなしだ。
悲願の1次リーグ突破に向け、6勝3敗がノルマとなるチーム青森。初戦の米国に続き、強豪カナダに勝てば視界は大きく開ける。ショットの精彩を欠いたカナダにうまくつけ込み、第2エンドに幸先よく3点を先取。番狂わせを予感させた。
その後に2点ずつ返されたが、3−4になった直後の第6エンドに2点を挙げて逆転。金星が見えた。ところが第8エンドで痛いミス。スキップ(主将)の目黒萌絵(25)は「自分たちが1、2点取れるところで最後に悪い方へミスをした。相手に1点を取るコースを与えたのが悔しい」と唇をかんだ。サードの近江谷杏菜(20)も「本当はもう少し前に石を配置して相手のコースをふさぎたかった」と首をひねった。
その後もミスは続き、1点リードの最終エンドに2点を奪われて逆転負け。近江谷は「小さなミスが多かった。こちらが詰められれば勝てる試合だった」と金星を逃した悔しさをにじませた。
セカンドの本橋麻里(23)は「互いの様子をうかがいながら進めるクリーンゲームだったが、後半でミスが重なった。細かいところを意識して一投一投、丁寧に投げたい」と前を向いた。
次戦はあす18日(同19日)。昨年の世界選手権覇者の中国と激突する。勝てる試合を落としたのは痛恨だが、ひとつのミスも許されないスケートやモーグルなどの一発勝負と違い、反省を次に生かせるのがカーリングのいいところ。1次リーグは10チームの総当たりで、24日の最終戦までまだ7試合もリベンジの機会が残されている。
この長丁場こそが、トリノ五輪で「カーリング娘」が大ブレークした最大の理由だ。選手たちの健闘はもちろんだが、連日のように放映されることで徐々にルールや選手たちの魅力的なキャラクターが浸透。さらに同五輪では、最終日の女子フィギュアで荒川静香が金メダルを獲るまで他競技が振るわず、自然とカーリングの注目度が上がっていった。端的に言えば、テレビに映る機会が非常に多かったのだ。
青森県カーリング協会の石田順一事務局長は、「スピードスケートなど数十秒で決まる一発勝負と違い、2時間半というマラソンと同じくらいの長さの試合が9回もある。しかも夏と比べて冬は(競合する)種目が少ない。こんなにテレビに映る種目は他にないのではないか」と話す。
青森が2002年ごろからカーリングに力を入れ始めたのは、「日本で盛んな地域は小さな町しかない。30万都市なら今からでも拠点になれる」というもくろみがあったから。だが当時はここまで露出力がある種目だという打算は「全くなかった」という。
当初は協会の役員が自腹を切って強化費をまかなうほどだったが、トリノで大きく認知度が上がったおかげで、今では地元企業だけでなくローソンといった全国的な企業も支援の輪に加わっている。
試合時間は長くても、距離競技のように単調でなく、野球のように局面ごとに視聴者も頭を使えるカーリングは、非常にテレビ向きの競技ともいえる。折からの不況でアマチュアスポーツは冬の時代を迎えているが、限られた資金で大きな露出効果をねらうなら、カーリングほどおいしいスポーツはない。
「チーム青森」の5人娘が、まだまだ日本の五輪ファンを熱狂させてくれそうだ。

