ボールを見るな!ダフれ!手打ちしろ!「クオーター理論」とは

★スイングで重要なのはインパクト直前の「4分の1」

2010.09.09


写真(1)体重移動とインサイドで右ひじにつけてダウンスイングは振り遅れる。【拡大】

 はじめまして、プロゴルファーの桑田泉です。誰かに顔が似ているって? 元巨人・桑田真澄の弟といえば、お分かりでしょう。私は野球からゴルフの道へ進み、初心者からプロゴルファーまで年間1000人以上をレッスンしています。私が考案した「クオーター理論」は、既存のレッスン法とは全く異なるものです。「ボールを見るな」「ダフれ」「手打ちしろ」。これが私の理論の3大原則。エッ、それって悪い例でしょ…と、ほとんどの方が思われることでしょう。でも、そう指摘する方の多くが既存のレッスン法では結果が出ないことも事実です。私の理論が、セオリーとされていることよりも上達への近道であることは、この連載を読めば理解していただけるはず。さあレッスンを始めましょう!!

 私が自信を持っておすすめする「クオーター理論」とは? 説明に入る前に、現在、主流となっているレッスン法について考えてみましょう。

 体重移動を使い、腕と体を一体化させたボディーターンで振る−という指導法をよく目にします。しかしアマチュアゴルファーが、この通りに実践すると、クラブヘッドの動きは体の回転より遅れ(写真〔1〕)、インパクトではクラブフェースが開いてボールはスライスするか、逆にその「振り遅れ」を取り戻そうとして左腰が早く引けて左へ引っかける原因となります。ヘッドスピードは上がらず、正確にボールをヒットすることもできない…といった弊害ばかりが出てきます。

 そこで、スイングを研究した結果、インパクト直前の「4分の1」が最も重要だという結論に達したのです。英語に訳せば、「クオーター」。スイングを360度の円運動とすると、重要な「クオーター」部分は、ダウンスイングでシャフトが水平になる状態から、インパクトまで(写真〔2〕〜〔3〕)。この「4分の1」の動きでゴルフは大きく変わるのです。

 フォロースルーでクラブを加速させろ−ともいわれますが、インパクト後に加速させるというのもおかしな話です。インパクトでパワーを発揮するには、その直前の「クオーター」でヘッドスピードが最速になるのが理想。それには私の理論の3大原則のひとつ、「手打ち」が最適な方法なのです。

 両足を地面につけたままのベタ足の状態で、体重移動を抑えて腕だけでクラブを振ってみましょう。そのときの注意点としては、「クオーター」では、両ひじを支点にそこから先の前腕部をしならせるようなイメージを持って振ることです(同〔4〕〜〔5〕)。

 野球選手は、ひじを支点に前腕を鋭く振ってボールをリリースすることでスピードボールを投げています(同〔6〕)。

 実は、みなさんも無意識のうちに日常生活でこの動きを取り入れているんですよ。布団たたきを使うとき、ハンマーでくぎを打つとき、ばちで太鼓をたたくときには、腕全体でなく、ひじを固定し、前腕部をしならせるように振っているはず。インパクトで最大限のパワーを発揮する術を自然に身につけているのです。この理にかなった動きは、ゴルフのスイングにも通じるのです。

 素振りをして、この「手打ち」でクラブを振った場合と、体と腕を一体化させるボディーターンで振った場合とで比べてみましょう。明らかに「手打ち」の方がヘッドがビュンと走ることが実感できると思います。

 実際にボールを打ってみましょう。最初は低い弾道のフックボールになると思いますが、ヘッドが走り、ボールが捕まる感覚がつかめれば第一段階としては十分。少なくとも、こすったようなスライスボールの出る確率は減るはずです。

 インパクト時に左肩が開かずにヘッドが走り、ミート率もアップ。弱々しいスライスボールも出ない。これだけでも、大きな前進です。次回は、さらに桑田流スイングのレッスンを進めていきます。

 ■桑田 泉(くわた・いずみ) 1969年11月25日、大阪府生まれ、40歳。小学4年から野球を始め、85年に2歳年上の兄・真澄がいるPL学園高に入学。外野手として高校3年時に甲子園春夏制覇。青学大へ進学し、東都リーグ2度優勝。卒業後、ゴルファーを目指し、24歳で単身渡米。レッドベターゴルフアカデミーで3年間修業した後、2000年「よみうりオープン」でツアーデビュー。04年PGAティーチングプロA級取得。07年に「ゴルフアカデミー EAGLE 18」を設立。

 【協力】ゴルフアカデミー EAGLE18(東急田園都市線・南町田駅から徒歩1分)

 

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