苦労人ボクサーの世界進出はばむ移籍トラブル

2011.06.10


遅咲きの世界チャンプ・石田順裕(撮影・堀田春樹氏)【拡大】

 プロボクシング元WBA世界スーパーウエルター級暫定王者・石田順裕(35)が、移籍トラブルに巻き込まれている。

 昨年秋から海外での試合に活路を見いだし、今年4月、ラスベガスでの2戦目では26戦無敗の上位世界ランカー、ジェームズ・カークランドをKO。大いに知名度を上げた。

 石田は現在、メキシコのカネロ・プロモーションと残り2試合分の契約があり、商品価値を高めたことで今後のビッグマッチ出場が期待されている。

 しかし、石田は日本での所属先、金沢ジムから移籍する話が進まず、立場が浮いたままの厄介な状況に頭を痛めているという。石田と親しいボクシング関係者が明かす。

 「実は金沢ジムは石田に対し長くファイトマネーの未払いがあって、世界チャンピオンになっても払われていないんです」

 本来、こうした事態を防ぐために日本ボクシングコミッションが試合契約を仲介するのだが、同関係者は「石田は試合の契約書すらほとんど見たことがないと言っていましたし、コミッションなんて名ばかりで機能していない」と実情を嘆く。

 そこで移籍を求めたわけだが、石田側が近隣のグリーンツダジムに移籍を希望したのに対し、ある東京のジムから“待った”がかかり、話が停滞してしまったのだという。

 「その東京のジムは石田とカネロ・プロモーションとの契約を仲介したので“勝手に移籍されては困る。ウチに来るべきだ”と主張しているんです」(同関係者)

 このリング外の綱引きについて、当の石田はノーコメントを貫いている。これは元トレーナーの藤谷敏弘氏が「石田は周囲に迷惑をかけたくないので話せないと言っている」と代弁した。

 藤谷氏は金沢ジムで世界王者時代の徳山昌守らのトレーナーを務めてきたが、こちらも給与の未払いが続き昨年、退職したのだという。

 現在、この状況を見かねた大手ジム会長が仲介、石田の希望どおり移籍ができるよう話を進めているというが、「これがまとまらなければ、石田がこの先、日本で試合をすることは絶望的になる」と前出関係者。

 ノーギャラでも34歳で世界獲得をやってのけた石田。遅咲きの苦労人ボクサーがやっとつかんだ世界進出のタイミングだけに、早い解決で試合に集中したいところだ。(ジャーナリスト・片岡亮)

 

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