K−1“中国ドタバタ劇”の裏事情…前途多難な再出発

2011.10.28


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 K−1が29日に中国・南京で予定していたワールドGP開幕戦は、直前になって大会をサポートしていたオランダのキック団体イッツ・ショータイムのサイモン・ルッツ代表が「開幕予選も決勝も開催されないでしょう」と中止を示唆した。

 その理由のひとつとして「中国での試合に不可欠な選手の就労ビザが用意されてない」ことを挙げた。この件についてK−1側は長く沈黙してきたが、大会1カ月以上前から開催が困難である話は飛び交っていた。

 先日、南京に出張した上海在住の格闘技ファンである吉村健さんは「現地ではK−1開催がほとんど知られていない」と話した。

 会場となる南京オリンピックスポーツセンター体育館の予定表には、K−1の記載もないままで、中国語が堪能な吉村さんが会場に直接問い合わせても「知らない」と返答されたという。インターネットでチケットこそ販売されていたが、記載されている対戦カードは現実味のないものが並ぶなど、雲行きは当初から怪しかった。

 興行は韓国のテレビ局スタッフの協力があったが、そもそも中国での興行開催には大きなハードルがいくつもあった。

 「中国では行政に興行の許可をとる作業が大変で、各所に根回しが必要。以前、南京に住む知人が入場無料の格闘技大会をやろうとしましたが、会場ひとつ予約するのも手続きがかなり面倒で、中止になった」(吉村さん)

 中国での興行といえば、内藤大助が2年前に予定した上海での世界タイトルマッチが3日前に中止。このときも会場が借りられていなかったことが原因のひとつで、内藤の関係者も「現地のプロモーターを信頼しすぎた」と話していた。

 また、昨年10月は上海で予定されたSMAPのコンサートが「会場警備などの不備」を理由に延期。今年9月に開催できたが、公演時間を半分に短縮されるなどさまざまな制約を受けた。

 ファイトマネー未払いなど経営難が明らかになったK−1が、これだけ開催の難しい中国興行を目指したのは「中国での興行に興味を示す投資家へのアピールだった」という関係者の話が聞こえている。

 現在、K−1は商標を含めたブランドを買収交渉中で、合意に達すれば新体制で再出発する見通しだが、そのための足掛かりになるはずの南京大会が、このドタバタ劇で逆にイメージダウン。“慌てるナントカ”にならないことを願いたいが…。(ジャーナリスト・片岡亮)

 

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