タイの田舎町で“長生き修行”してきた!

2012.07.18

 突然ですが、私は100歳まで元気に空手をしようと決めました。もっとも私の精神と肉体がその年齢までもつかどうかは甚だ疑問ではあります。が、そんなことより何よりも決断が大切なのであります。私の敬愛する愛媛県少林寺拳法連盟・前理事長の合田清一先生が御年80歳を超えた今でも現役で拳法を指導されています。そのご活躍を見聞きし、触発されずにはいられません。

 神様の創造物の中でもおそらく最高傑作であろう我ら人間は、私たちが考える以上の力を持っています。元気で長生きする秘訣とは、いい医者とか、ましてやサプリメントなどではありません。思いまするに、それは自分の生命力を自覚し、信じ込む力ではないでしょうか。長生きのためには精神の鍛錬が不可欠…。

 というわけで、先日タイの田舎町に精神修行に行ってまいりました。理由を話すと長くなるので割愛しますが、1週間ぐらいタイの田舎町のリゾートホテルにこもり、毎日朝から晩まで書物を読み、瞑想し、偉いお坊さんの講話を聞き、托鉢(たくはつ)を手伝ったり致しました。

 リゾートホテルと言っても、そこはタイ。部屋にはヤモリやゴキブリがうじゃうじゃ。トイレは水洗ですが紙を流すと詰まるので、紙は備え付けのゴミ箱に捨てなくてはなりません。慣れない環境に苦労しながら、7日間を過ごしました。そこではタイのお坊さんの修行風景も目の当たりにしましたが、その厳しさは、日本の坊さんが俗人に思えるほどでありました。

 毎朝の托鉢は、炎天下のコンクリートの上を裸足で何キロも歩き、各家庭を回ります。また、驚いたことにお坊さんはお金を触ってはいけませんし、女性に触れてもいけません。この戒律だけでも日本の坊さんの半分以上は資格なしになってしまうのでありましょう。

 もちろんお酒は飲みませんし、完全ベジタリアンであることは言うまでもありません。

 このような厳しい修行を続けているお坊さんだからこそ、タイの国民は信頼と尊敬の念を持って敬い庇護しております。

 私たち凡人はお金を触らないことなどできないし、女性を触らなければ人生を生きる意味合いも半減します。タイのお坊さんのようにはいきませんが、せめて何かしらの信念を持って人生を生きたいものです。

 一流の人間は、お金よりも女性よりも、命の次に信念を大切に生きます。私もかくありたい−。仏教の国タイで、改めて人生について考えさせられました。 押忍

 ■石井和義(いしい・かずよし) 空手団体「正道会館」宗師で、格闘技イベント「K−1」創始者。著書に「空手超バカ一代」(文藝春秋刊)がある。

 

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