男子テニス「バルセロナ・オープン」シングルス2回戦(21日、スペイン・バルセロナ)
世界ランク85位のテイムラズ・ガバシビリ(29、ロシア)を6−3、6−4のストレートで破り、連覇に向けて好発進した第1シードで世界ランク5位の錦織圭(25、日清食品)。課題はサーブだが、この日はセカンドサーブのポイント獲得率が90%という驚異的な数字を叩き出した。
ストロークが強烈なガバシビリは侮れない相手だったが、序盤からエンジン全開。隙を見せずに1時間8分で完勝した。「クレーコートの今季初戦で不安もあったが、試合に入ったらいいテニスができた」と手応えを感じた様子だった。
成長を感じさせたのはセカンドサーブだ。ファーストサーブは59%と物足りなかったが、セカンドサーブでは20ポイント中18ポイントを奪った。通常、セカンドサーブのポイント獲得率は45〜50%であることを考慮すると理想的な数字だった。
世界最高のストローク力を誇る錦織が、今後、四大大会での優勝を狙うために課題となっているのがサーブ力だろう。打点の高い長身選手のようにフラット系でエースを連発するのは難しいため、セカンドとの総合力でレベルアップできるかどうかが鍵だ。
この試合では質のいいセカンドサーブが入り、逆襲を許さなかった。威力だけではなく相手の狙いを外し、唯一ブレークポイントを握られた第1セットの第7ゲームでは、逆をついてセンターへエースを奪う場面もあった。
錦織は23日の3回戦でサンティアゴ・ヒラルド(コロンビア)とジョアン・ソウザ(ポルトガル)の勝者と対戦。順当に勝ち進めば、決勝は第2シードで世界ランク4位のラファエル・ナダル(28、スペイン)と激突する。クレーコートの王者、ナダルには過去7戦全敗だが、「試合をするたびに差は縮まっている。チャンスはある」と錦織。セカンドサーブの調子が勝敗を左右するだろう。