新国立競技場、建設費問題の本質 五輪後に年間維持費40億円をどう賄うのか (1/2ページ)

2015.07.09


7日の有識者会議では、改めてJSCの見通しの甘さが浮き彫りに【拡大】

 2020年東京五輪のメーン会場となる新国立競技場の建築計画が、世の中の批判にさらされています。私は、2520億円に膨らむといわれる建設費は、合理的な説明がなされるなら構わないと思います。

 スポーツの効用は、文明が発展するほど高くなるといわれています。しかし日本は、するスポーツでも、見るスポーツでも、先進諸国の中で突出して貧弱な環境です。

 例えば、スポーツ産業のトップランナーの米国では、大小合わせて500近いプロスポーツチームがひしめき合い、ゴルフ、カーレース、大学スポーツなどが加わり、スポーツ観戦市場が年間8兆円前後にもなります。一方で欧州、中東、アフリカを合わせた市場規模も約6兆円に上ります。

 ところが、日本の場合はどうやっても3000億円に満たない。ですから、世界3大都市の1つである東京に2520億円かけたスタジアムを建造すること自体は“あり”だと思うのです。

 ただし、ここまでのやり方は非常につたない。そもそも基本構想のデザイン・コンクールでイギリスの建設設計会社の作品が最優秀賞に選ばれた理由は「世界に日本の先進性を発信し、優れた技術をアピールできるデザイン」だったから。つまり国威発揚です。

 オリンピックを国威発揚の場とすることは、1936年のベルリンにおいて、ヒトラーがドイツの優秀性を世界に誇示することに成功して以来の伝統的な動機。64年の東京もそう、近年では2008年の北京もそうでした。しかし、既に成熟した先進国にとって、この概念は膨張の一途をたどる開催費用に見合うものではありません。

 

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