■大阪国際女子マラソン 1月31日、大阪・ヤンマースタジアム長居発着
今夏のリオデジャネイロ五輪の代表選考を兼ねたレースで、福士加代子(33)=ワコール=が日本陸連の設定記録(2時間22分30秒)を上回る、日本歴代7位の2時間22分17秒で優勝。2013年世界選手権マラソンで3位の実績を持ち、この日のレース内容からも自身初の五輪代表への選出が確実な情勢だ。
「いやー、うれしい。リオ、決定だべ」
競技場内にヒロインの声が響き渡った。自己記録を2分4秒縮め2時間22分17秒で圧勝。20キロ以降に起こった両足裏の痛みに耐え抜き、会心の走りを披露した。
序盤からハイペースで進み、ゴール予想が2時間21分を切るタイムで中間点を通過。5000メートル日本記録を持つトラックの女王は、徐々に脱落者が出る中で安定した走りを続けた。これまでのレースで終盤に落ち込み、永山監督から「(目標記録に)5秒足りないぞ」とハッパをかけられていたからだ。
スタミナ切れで転倒を繰り返した2008年の初マラソン以降、3度目の五輪代表への挑戦。12年ロンドン大会の代表を逃してからは栄養士をつけ、1回の食事で500グラムの米を食べるなどスタミナ強化に努めた。昨年は故障に苦しんだが、直前合宿では持ち前のスピードを磨き上げた。
それだけに、33歳の志は高い。リオの舞台へ向け「(目標は)金メダル」と笑顔でうなずいた。