バンカー越えのアプローチでは、ボールを上げて、グリーン上に止める「ピッチショット」が有効です。打ち方はシンプル。スコアアップを図るには、必ずマスターしたい技術の一つです。
まず確認したいのは、ボールの置き位置です。ショートアイアンやウエッジの場合には、左足かかとの延長線上よりボール2個分、右足寄りへ置くのが基本となります。しかし、ボールを上げるピッチショットでは、若干左足寄り。左足かかとの延長線上からボール1個分、右足寄りに置きましょう。
写真〔1〕のようにアドレスでは手元がボールの真上になり、ダウンスイングからインパクトにかけ、同〔2〕のようにグリップよりヘッドを先行させるハンドレートで振ります。
ボールを上げて転がすピッチエンドランや、先週レッスンしたランニングアプローチ(転がし)ではインパクトの瞬間に、ヘッドよりグリップが先行するハンドファーストのスイングが基本でした。ピッチショットはこの点が異なります。
ハンドレートにすることで、インパクトに近づくにつれてロフトが開き、フェースは上を向く。おのずと、フワリと自分の背丈よりも高いボールが打てるワケです。
両足の体重配分は5対5で、足幅はこぶし2〜3個分開き、若干左足を背中側へ引くオープンスタンスで構えます。手を使わず体の回転と体重移動を意識し、左右対称の振り幅で打つのは、3種類のアプローチ共通です。
同〔3〕のようにバックスイングの際には手首を使わず、ノーコックでクラブを上げるのがポイント。そうすることで、ダウンスイングではヘッドがグリップより先に走り、インパクトでは右の手のひらが上を向くはずです。
ただし、球が高く上がる分、距離は出ません。目の前のバンカーを越えるには、同〔4〕〜〔7〕のようにスイング中にクラブを緩めず、勇気を持って、振り切ることが大切です。
トーナメント中継を見ると、プロはボールを真上に高く上げる「ロブショット」を披露しています。決まれば、確かに格好のいい技です。しかし、フェースを思い切り開き、大きなストロークをする特殊な打ち方が必要で、練習量が求められます。また、ある程度ボールが浮いていなければ、フェースの刃はボールの下に入らず、距離も計算できません。ぶっつけ本番のアマチュアにはリスクが大きすぎます。まず、簡単なピッチショットを確実に習得した方が得策です。
しっかりボールを捕らえるため、若干体勢を低くして構え、重心を下げます。また、両ひざの高さを変えないでスイングすることが大切です。練習場では、振り幅の大きさを変えながら、軌道や距離感をつかんでください。同〔8〕のように目標に向かってボールを下手で投げた場合の軌道をイメージしながらスイングすれば、距離感も合わせやすいはずです。
あらかじめフェースを開いたり、アドレスの際に右足体重で構えれば、ボールはより高く上がります。ただ、この打ち方はダフリにつながる恐れがあります。まずは、ボールを若干左足寄りに置き、手首を使わずハンドレートで打つピッチショットの基本を覚えることが、スコアアップの近道になると思います。
【協力】SPH KEIYO GOLF ACADEMY(千葉・京葉カントリー倶楽部内)
【ホームページ】http://www.s−pacific−heaven.com/
■谷 将貴(たに・まさき) 1972年11月17日、東京都生まれ、37歳。11歳からゴルフを始め、千葉・東京学館浦安高、法大ではゴルフ部で活躍。大学2年のときに最先端のスイング理論を学ぶため渡米。2003年からツアープロコーチとして活動し、片山晋呉を賞金王に導く。のべ2万7000人のアマチュアをレッスンしている。「スポーツパシフィックヘブン」代表。







