【テンピ(米アリゾナ州)10日(日本時間11日)=米沢秀明】エンゼルスの松井秀喜外野手(35)が、レッズとのオープン戦に「4番・DH」で出場し、遊ゴロ、中飛の2打数無安打。前日のデビュー戦に続く2試合連続安打はならなかった。それでも、松井の加入でスポンサーに名乗り出る日本企業が続出。すでに7社が手を挙げ、エンゼルスは年間ざっと7億円の広告収入が増える計算。世界的な不況を吹き飛ばすゴジラの経済効果に、球団関係者も驚きの声をあげている。
前日9日のデビュー戦で、いきなり中前打を放った松井。新天地での2戦目に臨んだ。第1打席は右腕リンコン投手の外角球を遊ゴロ。第2打席はマイナーリーグの右腕リーク投手の初球の外角球を打ち上げ、中飛に終わった。安打は出なかったものの、心配された両ひざの状態は良好。4・5の開幕戦(対ツインズ)に向けて歩みを進めている。
「打席の感じは少しずつよくなっているかなという感じ。今はあまり深く考えていない。スイング自体は悪くない」
チームも0−6の完敗。キャンプ地・ディアボロスタジアムのファンをこの日は喜ばせることはできなかったが、それでも球団は想像を超える“マツイ効果”に沸いている。
松井の人気は絶大。「55」番のユニホームは、9日に球場のみやげもの店で完売品切れ。キャンプ地球場のディアブロスタジアムには、日本の「Yakult」の広告が右翼スタンドに登場。観客にヤクルトが無料配布されるサービスが行われるなど、さっそく“マツイ効果”が表れ始めている。
さらに、松井はエンゼルス球団に莫大なスポンサー収入をもたらすことが明らかになった。ヤンキースから移籍入団が決定した直後から、エンゼルスタジアムに広告を出したいという日系企業が相次ぎ、球団広報によると現在6社と契約する方向だという。
松井の豪快なホームランが飛び込む右翼スタンド周辺への広告看板の掲出を検討しているのが「YOKOHAMAタイヤ」。左翼守備復帰で映像に映し出されるチャンスが増加することを狙って左翼スタンド周辺への掲出を検討しているのが「SHARP」だ。ヤンキース時代から個人スポンサーとなっている「KOMATSU」も広告を出すことを決めている。
さらに「NITTOタイヤ」、「THK」、「KULAsushi」もバックネットの回転広告板のスポンサーを希望。「Yakult」を含めて計7社。年間1億円がメジャーリーグのスポンサー料の相場といわれるだけに、球団は日本の企業だけでざっと7億円の収入をあげることになる。
ヤンキースタジアムでも日本企業の広告はあったが、在籍7年間トータルで「KOMATSU」「SONY」「TOYOTA」「読売新聞」「CANON」「SHARP」「京セラ」「富士フイルム」「カシオ」の9社。米東海岸のニューヨークより、日系人が多く住む西海岸のアナハイムの方が、日系の企業にとっては当然、PR効果が多く見込まれる。松井はエンゼルス移籍1年目で、ヤンキース時代の7年間のスポンサーを集めたことになる。
「1人の選手がこれだけの企業広告を集めるというのはこれまでには経験のないこと。マツイの日本への影響力が改めてよくわかった」と球団広報も目を丸くしている。球団として見れば、松井が自分で連れてきたスポンサーが松井の今季年俸600万ドル(約5憶4000万円)をまかなってくれ、おつりまでくる計算だから、笑いは止まらないはずだ。
「これまでと何か大きく変えているわけでもないから。体調に合わせて調整していきます」とリラックスした表情で球場を後にした松井。エンゼルスに新しい風を吹かせている。



