松井、差別騒動を沈静化でチームリーダー ハンターが不適切発言

2010.03.12


ハンターを慰める?松井。早くもチームリーダー就任か(吉澤良太撮影)【拡大】

 【テンピ(米アリゾナ州)11日(日本時間12日)=米沢秀明】エンゼルスの松井秀喜外野手(35)が早くもチームリーダーに?! 松井とともに中軸を打つトリイ・ハンター外野手(34)がラテン系選手に対して不適切発言をしたことで、チーム内が大混乱に陥っている中、騒動の沈静化にゴジラが立ち上がった。

 チームのムードメーカー的存在のハンターが朝から神妙な表情。球団関係者と話し合うなど、全米に広がった不適切発言騒動の収拾に追われた。

 騒動の発端は、2週間前にハンターが米メディアの取材に答えた発言内容。ハンターらアフリカ系米国人選手の減少に関する質問の中で、中南米のラテン系選手に言及し「同じ肌の色をしていても、彼らはペテン師だ。本当の黒人じゃないよ」などとコメントした。

 この発言が差別的であるとして批判が高まり、ハンターは「そういう意味で言ったんじゃない。文脈がねじ曲げられて伝えられている。報道に自分も驚いている」とあわてて説明した。しかし、チームにはベネズエラ出身のアブレイユ外野手やドミニカ出身のアイバー内野手ら主力に多数のラテン系選手がいる。本意でなかったとしても、この発言はいただけない。

 この日のオープン戦の出場メンバーから外れた松井とハンターは、キャンプ地で居残り練習を行った。チーム内で浮き上がり、しょんぼりしているハンターと率先してキャッチボールをしたのが松井。球場内のロッカーが隣で仲がいい。2人で主軸を打ち、松井が左翼の守備位置につけば、中堅のハンターとは息を合わせなければいけない。松井にとってハンターを元気づけることが、自分のためであり、チームのためにもなる。

 新加入ながら松井に、チームは精神的な支柱としての役割も期待している。ソーシア監督は「松井は誰もが認めるプロフェッショナルな選手だ。自分に厳しいヤンキースのジーターが、その人間性に称賛を送ったほどのベテラン選手だ。若手が見習うべきところが多数ある」とチームへの好影響を期待している。

 練習の最後には、ハンターの顔から笑みがこぼれた。松井がチームリーダーとして活躍することが、常勝エンゼルスの伝統を守ることになる。