“ポスト岡田”の日本人最有力候補のG大阪・西野朗監督(55)が、代表監督就任へ向け、最低限のノルマを達成した。
13日に行われたサッカーのアジアチャンピオンズリーグ(ACL)1次リーグで、G大阪は同組1位だった強豪・水原三星(韓国)と対戦。先制されながらも追いつき、ロスタイムに17歳のFW宇佐見貴史が決勝ゴールを決めて、3大会連続で決勝トーナメント進出を果たした。
「とにかく西野のいいところは若い選手を躊躇(ちゅうちょ)なく大胆に大事な試合で起用するところ」と話すのは日本サッカー協会・犬飼基昭会長(67)である。また、ある協会幹部も「日本人のナンバーワン監督は紛れもなく西野だね」とハッキリ口にする。岡田武史監督(53)が、W杯に向け日本代表を指揮している真っ最中にもかかわらずだ。
4年に1度、西野ジャパン誕生への期待が高まるときがやってきた。Jリーグでは、G大阪は開幕からまさかの5戦連続勝ち星なしで「解任」の可能性も浮上するところ。しかも、この水原三星戦は日本代表の遠藤ら主力5人が欠場する非常事態。そこで、手腕を発揮するのが西野監督だ。
本来MFの若い宇佐見をあえてFWで起用して大成功。この大胆さが岡田監督にはないところだ。だからサッカー界で「日本人ナンバーワン監督=西野」という図式が成り立っているのだ。
Jリーグでは開幕6戦目の大宮戦で初勝利し、今度は大事なACLを若手登用でしっかりモノにした。もし、ACLで決勝トーナメント進出を逃すようなことがあれば、W杯後に岡田監督からバトンを受け継ぐ可能性が消滅しかねない事態。そんな大事な試合を、西野監督は「大胆な采配」という自分の持ち味を生かして勝利した。
若手を登用する西野監督のポリシーは、いくら有能な選手でも、すぐには起用しないことにある。宇佐見については昨年ブレークしかかっても「今年いっぱいは主力で使う気はない」と完全に突き放していた。
また今季のリーグ戦開幕前には主力FWとして期待していたブラジル人助っ人のペドロ・ジュニオールが起用法をめぐって造反。ペドロは「監督に謝りたい」としたが、「そんな問題ではない、彼は2度と使わない」と退団に追い込んだ。筋を通した上での大胆な選手起用が持ち味だ。
リーグ戦の開幕ダッシュにこそ失敗した西野監督が、“ポスト岡田”へ向け、ようやく本領を発揮し始めた。(夕刊フジ編集委員・久保武司)

