ザッケローニ・ファミリー上陸で"ファルカンの悲劇"再び!?

2010.09.01


好待遇で迎えられたザッケローニ新監督。“ファミリー”にかかるカネは総額5億!? ファルカン元監督の二の舞いだけはゴメンだ 【拡大】

 サッカー日本代表の新監督に就任したアルベルト・ザッケローニ氏(57)。1日に行われる「ナビスコ杯(FC東京−清水)も視察をします」とさっそく、やる気満々だが、日本サッカー協会サイドはなぜか口が重い。

 「契約期間、いつから交渉を開始したかということは2者(日本協会とザッケローニ氏)間で口外しないということになっている」(原博実技術委員長)と徹底した秘密主義を貫いている。

 今回の契約合意が大幅に遅れたのは、ザッケローニ家が筋金入りのインテリスタ(セリエA・インターミラノのファン)で、インターミラノほか欧州のビッグクラブからオファーがあった場合、ザッケローニ氏側は日本行きよりそちらを優先する意向を持っていたから。原委員長も「あれだけの人ですから…」と、とにかく平身低頭。交渉は完全にザッケローニ氏サイド主導で行われた。

 ザッケローニ氏の年俸は日本代表監督史上最高額となる2億円。「1年ごとに契約を延長しようということ」と原委員長は話したが、一方でヘッドコーチ、GK、フィジカル担当など、同氏を含め6人のイタリア人が新生日本代表に入閣。年間で総額5億円以上の人件費がかかるという。

 ジーコジャパン時代も監督の回りを固めるスタッフのファミリー体質が問題視されたが、「ジーコ時代は総額3億円程度の人件費だった」(協会関係者)ことを考えると、高い買い物だ。

 日本代表では前回の岡田ジャパンで世界にも例を見ないコーチ陣の多さが問題になり、原委員長が「次回の代表はコーチを必ず減らす方向でいる」と明言していたにもかかわらず、岡田ジャパンよりも年間の人件費は確実に増えたうえ、「彼の個人マネジャーみたいな人も帯同することになる」(同)と、ザッケローニ・ファミリーは増える一方なのだ。

 また、“ザック・ジャパン”のコーチ陣のなかには、「スカウティングコーチが入閣することが決まっている」と協会関係者は明かす。同コーチの担当は、Jリーガーが代表入りするだけの技術や体力があるかを判断する役目。代表招集の大きなカギを握るポストが新設されることになった。

 協会にとって頭の痛い問題が通訳だ。日本代表初のイタリア人監督ということもあり、サッカー通の通訳も「これから人選します」と原委員長。ザッケローニ氏は「とにかくコミュニケーションを大事にしたい」と対話重視を強調するが、今回の代表でイタリア語を使いこなせるのはFW森本(カターニャ)しかいない。言葉の問題は大きなネックになりそうだ。

 今回の状況は1994年に来日してわずか8カ月で解任されたブラジルのファルカン前代表監督の時と似ている。Jリーグを全く知らなかった同氏にはコミュニケーションの問題が最後までのしかかり、解任の最大の理由となった。

 「今回の冒険が終わった時にザッケローニという侍が、いい思い出を残してくれたといわれるように頑張りたい」と本人は話したが、“ファルカンの悲劇”が再演されてもおかしくない条件だけはそろっている。 (夕刊フジ編集委員・久保武司)

 

注目サイト