なでしこ、力の上乗せで敵の研究かわせ!

2012.07.13


オーストラリア戦の後半、3点目を決め喜ぶ沢(左)と、祝福する熊谷(中央)、阪口(右)、川澄(手前)=11日、東京・国立競技場【拡大】

 世界チャンピオンのなでしこジャパンが、ロンドン五輪でメダルに挑む。最近になって、沢穂希は「どの色でもいい」とやや慎重になっているが、新主将の宮間あやは「金でなければ」と高い目標を変えていない。

 ボクシングの世界でよく言われることだが、タイトルは奪取するより防衛する方が難しい。ましてなでしこは、圧倒的な強さでW杯を制したわけではない。普通に考えれば、そこから進化していなければ金メダルには手が届かない。

 佐々木則夫監督は、昨年のW杯開催中から「集大成は五輪」と話してきた。当然「あと1年で十分に伸びしろはある」と考えていたはずだ。一方で、足を止めるわけにいかないことは重々承知していたはずで、3月にポルトガルで行われたアルガルベ杯から積極的に新戦力を試してきた。

 ところが、独特の得点感覚を持つ菅沢優衣香、下の世代で期待度ナンバーワンの京川舞らが相次いで故障。W杯以降、レギュラーに定着しつつあった宇津木瑠美まで離脱した。結局、五輪代表は全員がW杯組。確かに五輪はW杯より5人も登録が少ないので、なかなか新戦力は組み込みにくい。さらに沢を筆頭に岩渕真奈、岩清水梓、丸山桂里奈らは回復途上にあり、本番でどこまで戦えるかは未知数だ。

 もちろんライバル国は、世界一になった日本を徹底して研究してくる。なでしこはある意味で長所と短所が明確で、スタイルは変えようがない。このタイプのチームは、相手に研究されるとどうなるかはJリーグを見てもよくわかる。

 現在、J1ではG大阪が降格の危機もある下位に沈んでいる。天皇杯準優勝、J2では断トツの昇格候補だった京都は8位と低迷し、このままでは3〜6位で争うプレーオフへの出場も危うい。どちらもポゼッションが軸。ところがショートパスに偏り変化に乏しく、相手にカウンターを食らっている。スキルと判断力を生命線とするチームが後手に回ると、逆に守備力という課題が浮き彫りになりがちなのだ。

 世界一になったことで、なでしこの選手たちも自信という大きな武器を手にした。これからはコンディショニングと熟成で、どれだけ上乗せできるかが明暗を分けるポイントとなる。

 ■加部究(かべ・きわむ) スポーツライター。1958年生まれ。6度のW杯、8度の各大陸選手権などを取材。著書にデットマール・クラマーを題材にした「大和魂のモダンサッカー」、「忠成」、「サッカー移民」など多数。現在「週刊サッカーダイジェスト」、「サッカー批評」他でコラムなどを連載。

 

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