C大阪の寮長は老舗旅館の元総料理長!

★C大阪選手寮・秀島弘寮長(73)

2012.09.28


C大阪選手寮・秀島弘寮長【拡大】

 MF香川真司(マンチェスター・ユナイテッド)、清武弘嗣(ニュルンベルク)、乾貴士(フランクフルト)ら、欧州リーグで活躍する選手を次々と輩出しているのがJ1C大阪だ。香川らが巣立っていった選手寮を預かる秀島弘寮長(73)は、かつて兵庫・有馬温泉の老舗旅館「兵衛向陽閣」で腕を振るった元総料理長。今も、次なるスターの“下ごしらえ”に余念がない。(聞き手・上阪正人)

 −−C大阪出身選手は今も気になる

 「香川の試合はテレビで見ている。年俸6億円を取るようになった今でも、私を『お父さん』と呼んで慕ってくれ、帰れば必ず寮に立ち寄る。久しぶりに会うとまず、1分間ほど抱擁している」

 −−伸びる選手とそうでない選手の違いは

 「人の言うことを素直に聞けること。香川は2007年にJ2でデビューして、2試合目のヒーローインタビューで『後半バタバタだった』と話した。私が『体力がないならオフは走れ』とハッパをかけると、その通り1日30キロ、1カ月以上走って体を作り上げた」

 −−苦労もあった

 「06年の入団当初は、同期のFW柿谷(曜一朗)が天才ストライカーと派手に取り上げられていた。1歳年下の柿谷から『おい、香川』といわれ、先輩から『ケツ振れ』と命令されて一生懸命やっていた。でも、香川に『柿谷がいたから成長できたんじゃないか』と聞くと『それもあります』と。相当のライバル意識があったはず」

 −−努力が大事

 「寮の選手には『香川を見てみろ』と言って聞かせている。乾にも、清武にもはっきり思ったことをガツンと言ってきた。それを素直に聞ける選手が伸びる」

 −−選手との接し方は

 「旅館勤務では50人の調理師のトップにいた。サッカー経験はないが、スポーツの選手も調理師も、同じ技術者。壁に当たって悩んだときにどう声をかけてやればよいか、というのは共通している。料理長時代も包丁で手を切った者には『真剣にやれ』と殴って指導したこともあった。サッカーでも一流選手は練習ではケガをしない」

 −−ロンドン五輪ではDF扇原貴宏、MF山口蛍、FW杉本健勇が活躍した

 「杉本は素直で、私の言うことを聞いてまじめに練習するから同期入団の中でも一番伸びている。欧州のクラブでも、選手がトップチームに行って伸びていくのは18〜21歳ぐらい。寮で暮らす若いときの努力は大事です」

 ■秀島弘(ひでしま・ひろし) 1939年3月19日、佐賀県有田市出身、73歳。15歳から有馬温泉の「兵衛向陽閣」で24年間料理人として働き、総料理長を務めた。飲食店経営をへて、03年にC大阪選手寮の寮長に就任。午前5時から門限の午後11時まで、食事の配膳(はいぜん)、寮施設の管理、生活指導を担っている。

 

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