■サッカー・ロシアW杯アジア最終予選(11日、豪州・メルボルンほか)
日本(世界ランク56位)は、オーストラリア(同45位)と1−1の引き分け。2勝1分1敗の勝ち点7で3位とした。解任論がやまないバヒド・ハリルホジッチ監督(64)は、FW本田圭佑(30)=ACミラン=を日本代表では4年ぶりとなる1トップに配置するなど“勝負手”を打ったが、勝ち切れなかった。もともとセオリーに反し周囲が戸惑う采配を振るうことが多い指揮官。この日も、勝てる試合をみすみすドローにした背景には“ハリルの4つの間違い”があった。 (夕刊フジ編集委員・久保武司)
【1】原口を溺愛
前半5分。MF原口元気(25)=ヘルタ=は最終ライン裏に抜け出し、本田からのスルーパスを受けると相手GKと1対1。冷静に決めた貴重な先制弾は「監督から何度も言われた形」だった。
これで3試合連続ゴール。W杯アジア最終予選での3戦連発は、1994年W杯米国大会最終予選のFWカズ(現J2・横浜FC)、98年同フランス大会最終予選でのFW呂比須に次ぐ、日本代表史上3人目の快挙だ。
しかし、値千金の得点を奪ったのも原口なら、痛恨の失点の原因を作ったのも原口だった。
後半6分、FWユーリッチにペナルティーエリア(PA)内で接触。同点PKを献上したのだ。
「本当に申し訳ない」。試合後本人はうなだれるばかり。拮抗した場面でのPA内では、ファウルを誘う接触を相手が仕掛けてくるのが定石。これにまんまとはまってしまった。
ハリル監督からフランス語で「デュエル(闘える選手)」と評され、寵愛を受けて“ハリル・チルドレン”ともいえる原口。しかし、「大きな仕事もやるけれども、大きなミスもやる選手」(代表OB)というのが関係者の一般的な評価だ。