【それ行け!ヤスダ】広島に“ヤスダ2世”発見 新人・川口盛外

2010.02.12


広島の新人・川口は“ヤスダ2世”【拡大】

 勝手に“ヤスダ2世”と呼んでしまおうか? 11日に沖縄キャンプを打ち上げた広島の1軍投手陣に、おもしろい素材を見つけた。

 阪神の宜野座キャンプで会った安仁屋宗八さん(広島などで活躍した通算119勝投手、現評論家)から「おいヤス、おまえとそっくりの新人が広島にいるぞ」と言われていたから、気になっていた。しかも、私にとって早大の後輩にもあたるというじゃないか。

 早大を経て王子製紙からドラフト6位で入団した川口盛外(かわぐち・たけと)投手(24)。ちなみに私もドラフト6位(1971年)だった。ブルペンで川口の投球を見ていたら、思わず笑いがこみ上げてきたよ。確かにかつての自分によく似ている。

 身長172センチというから、170センチ弱の私よりは少し高いが、似た体形の左腕。スリークオーターの川口は、スリークオーターとサイドスローの中間くらいだった私よりはひじの位置がやや高いか。まっすぐの球速は平均130キロ台中盤から後半で、度胸と制球が身上というのも共通項だ。私は早大卒業後に大昭和製紙で2年間投げ、同じ製紙会社の王子製紙とは当時の「産業別対抗」で対戦したものだ。

 私は現役時代、体形から「ペンギン投法」とスポーツ紙に書かれた。大洋ホエールズ(現横浜)に強かったから、「ペンギンがクジラを倒した」なんてね。川口もユニークな存在になるかもしれない。よく聞いてみると、早大といっても、故障があって準硬式野球部に所属。王子製紙で硬式に復帰した変わり種なんだ。

 川口へ、藪から棒に「おれのこと、知っているか?」と話しかけてみたが、やはり「知りません」って言われちゃった。名刺を出したら、ピンときたようだったけど。広島は左の中継ぎが手薄だけに、チャンスは大いにあるだろう。

 43歳の野村謙二郎新監督を迎え、広島のムードは明らかに変わった。若い監督らしく、ちっともじっとしていない。メモを取るためにちょっと目を離すと、もうどこへ行ったかわからなくなってしまう。ノック中も捕手の後ろにいたかと思うと、内野へ移動し、自らトンボをかけ、重いフライを上げるマシンをスタッフと一緒に運んでさえいた。とにかく精力的に動き回っている。

 悲願のクライマックスシリーズ進出へ向け、おもしろい戦いをしてくれるんじゃないか。(夕刊フジ評論家)

 ■安田 猛(やすだ・たけし) 1947年4月25日、福岡県生まれ、62歳。小倉高、早大、大昭和製紙を経て、71年のドラフト6位でヤクルト入り。72年に新人王と最優秀防御率に輝いた。73年も2年連続で最優秀防御率のタイトルを獲得。81年限りで引退するまでの10年間で通算93勝80敗17セーブ。81イニング連続無四球のプロ野球記録はいまだに破られていない。その後、ヤクルトでスカウト、投手コーチ、スコアラー、編成部長などを歴任した。左投左打。いしいひさいち氏著の人気漫画「がんばれ!!タブチくん!!」の準主役「ヤスダ」のモデルとなった。