MENU

RANKING

モバZAKのご案内

iモード、EZweb、Yahoo!ケータイで大好評配信中

社会ホーム > 社会 > 記事詳細

  • イザ!ブックマーク
  • はてなブックマーク
  • livedoorクリップ
  • ブックマークに追加する

銀行破綻連鎖シナリオ…民主“救済策”徹底審議へ舵

 自民党内で解散・総選挙の先送り論が高まるなか、一部ダメ銀行の経営が行き詰まり、一時国有化されるのではないかとの不安が強まっている。選挙が先送りされれば、早期の選挙実施を求めていた民主党が、銀行救済のための金融機能強化法改正案の審議を厳格化するため、11月中に経営が行き詰まる銀行が続出する可能性があるのだ。選挙時期と銀行救済の関係は、実は、密接な関係にある。

 麻生太郎首相と中川昭一財務・金融相は26日夜、都内のホテルで世界的な株価急落や、急激な為替変動を受けて、追加的な市場安定化策について協議。首相は27日にも市場安定化策をとりまとめ、方針を発表する見通しだ。

 この市場安定化策の柱となるのが、地方銀行、第2地銀、信用金庫、信用組合などを対象に、経営が悪化する前に国が公的資金(税金)を資本注入できるようにする金融機能強化法改正案だ。国内でも金融危機が深まりをみせるなか、政府は注入枠を当初見込んでいた2兆円から10兆円へと5倍に拡大する方針。

 同法案をめぐっては「10月30日に成立させて11月中旬に施行し、すぐに危ない地域金融機関に公的資金を資本注入する」(永田町有力筋)というスケジュールを想定していたが、これが解散・総選挙の先送り論の強まりで、微妙になってきている。

 民主党有力筋が次のように指摘する。

 「政府・与党が総選挙を(11月30日投開票など)早期に実施するのであれば、民主党としても金融機能強化法改正案の早期成立に協力するのにやぶさかではなかった。しかし、総選挙を先送りするというのであれば、話は別。同改正案は現行では、公的資金注入を申し込んできた金融機関の経営陣の責任は問わない方向だが、これも見直し、同改正案を徹底的に審議する必要が出てくる」

 同改正案の目的は、公的資金注入で金融機関の自己資本比率を高め、貸し渋りや貸しはがしといった事態を回避すること。だが実際には、経営が行き詰まりそうな金融機関を救済するという目的もあわせ持っており、同改正案の成立はそうした金融機関の命綱的な意味合いもある。

 もし、公的資金投入の際に経営責任が問われるようになると、どうなるか。

 金融関係者は「公的資金投入の際に経営責任を問わないのであれば、金融機関の経営者は『公的資金を受け入れるのは、世界的な金融混乱のせいだ』として前向きに公的資金を受け入れるだろう。しかし経営責任が問われるなら、経営者のなかには経営状態が危ういにもかかわらず、『うちの経営は大丈夫だから、公的資金は必要がない』とやせ我慢するところも出てくるだろう」とみる。

 また、平均株価がバブル後最安値を突破し、銀行の保有株式に巨額の含み損が発生している。金融機関の貸付先も折からの景気低迷で経営が悪化し、金融機関の与信コストが激増、財務内容がより悪化する危険性がある。

 実は、金融機関の監督官庁である金融庁では、11月に、経営が行き詰まりそうな一部地銀を一時国有化する準備を進めていた。

 「東北と九州では、いくつかの地銀が08年9月中間決算を乗り越えられそうもない状況。金融機能強化法改正案が早期に成立してくれれば、公的資金投入でスムーズに健全性を維持することができたのだが、成立がもつれ、11月中旬の施行が大幅に遅れるようだと、りそな銀行や足利銀行でとったのと同じように、一時国有化という処理をせざるを得なくなる」

 経営環境が悪化しているのは地域金融機関だけではない。米金融大手モルガン・スタンレーに90億ドル(約9000億円)を出資した三菱UFJフィナンシャル・グループやみずほフィナンシャルグループ、三井住友フィナンシャルグループはいずれも、自己資本比率を維持するための増資の検討に入った。サブプライム問題で受けた傷が比較的浅いとされてきた日本のメガバンクグループでさえ、増資が必要なレベルにまで経営状態が悪化しているのが実情だ。

 総選挙の先送りは、「一時国有化銀行=経営行き詰まり銀行」を表面化させる危険性をはらんでいる。

ZAKZAK 2008/10/27

社会ニュース

もっと見る