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あなたの会社は大丈夫?“突然死”黒字倒産激増の怪

昨年7社から今年すでに34社

 業績は黒字なのに破綻の憂き目をみる。こんな「黒字倒産」が激増している。東京商工リサーチの調査では、負債100億円以上で倒産した会社は今年に入ってから10月末までに60社。このうち34社が黒字だったにもかかわらず、つぶれてしまった。これは昨年1年間の数字(7社)の5倍で、今年度末に向けヤマ場を迎えるという。あなたの会社は大丈夫か−。

 「まるで1950年代後半にタイムスリップしたかのようだ」

 こう嘆くのは、大手不動産会社の幹部。50年代後半といえば、日本が高度成長期に差し掛かったころで、国内経済は活気にあふれていた。しかしその半面、資金需要が急速に高まったため、黒字なのに運転資金が調達できずに倒産する会社が相次ぎ、大きな社会問題になった。

 あれから約50年。再び「黒字倒産」のラッシュが日本を襲っている。

【不動産、建設・内装が7割】

 東京商工リサーチの調査によると、今年に入ってから10月末までに負債100億円以上を抱えて倒産し、なおかつ直近の最終損益が判明している会社は60社。このうち34社(約57%)は最終黒字だった。

 調査を担当した同社情報部の橋本邦夫課長は次のように指摘する。

 「昨年1年間の100億円以上の大型倒産は30社でしたが、今年は10月末時点ですでに60社に達しています。昨年1年間の黒字倒産は7社で、今年は10月末時点ですでに34社。すさまじい激増ぶりです」

 10月末までの倒産を業種別にみると、不動産業が17社でもっとも多く、次いで建設・内装工事業が6社。この2業種だけで全体の7割近くを占めている。

 今年の「黒字倒産」のなかで、利益の規模がもっとも大きかったのが、マンション分譲のアーバンコーポレイション(広島)。直近の2008年3月期に、過去最高の連結最終利益311億円を上げながら、資金繰りの悪化から8月に民事再生法の適用を申請した。

【50年前も…激変期につきもの】

 破綻の背景について、先の橋本氏はこう解説する。

 「マンション分譲よりも、私募で集めた資金でオフィスビルなどを開発し、外資系ファンドに丸ごと転売する不動産流動化事業で多くの利益を上げていた。世界的な金融危機で、外資系ファンドが相次いで日本から撤退し、転売先が極端に減ったことに加え、金融機関が不動産向け融資を引き締めたことが追い打ちをかけた」

 10月に破産手続きをしたノエル(神奈川)、9月に民事再生法適用を申請したランドコム(同)も、不動産流動化事業を積極的に手掛けていたことがアダになった。

 マンションなどの市況悪化は建物をつくる建設業も直撃。老舗ゼネコンの新井組(兵庫)、りんかい日産建設(東京)、三平建設(同)などは、不動産業者から受注した建設工事の代金が相手先の経営破綻で焦げ付くなどしたことが倒産の引き金になった。

 また、証券、保険など金融業でも5社が「黒字倒産」の憂き目をみた。9月に破綻した米証券大手リーマン・ブラザーズの日本法人、リーマン・ブラザーズ証券(東京)は直近の08年3月期に124億円の最終利益を計上していたが、本体の破綻を受け共倒れした。

 10月に更生特例法の適用を申請した大和生命保険(東京)は、サブプライム住宅ローンを組み込んだ証券化商品の評価損などが響いた。

 黒字会社がある日突然死する「黒字倒産」は、今後も増えるのか。橋本氏はこう予測する。

 「世界的な金融危機の広がりで、ほとんどの業種で業績が悪化。直近の決算で最終黒字となっていても、09年3月期など次の決算期で赤字になるところは少なくないでしょう。来年3月までで黒字倒産はヤマ場を迎え、それ以降は業績不振に伴う赤字倒産の割合が増えるとみています」

 外部環境が急激に変化した時期に激増する傾向がある「黒字倒産」。今がピークといえそうだ。

ZAKZAK 2008/11/27

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