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ノートPC「100円」家電値崩れ、壮絶サバイバル

メーカー、量販店“在庫よりマシ”

 クリスマス前の最後の週末。ボーナス商戦もクライマックスを迎えるなか、家電量販店で異変が起きている。景気悪化で消費者の財布のヒモがきつくなっているのを受け、「実質10万円以下の37型薄型テレビ」が店頭に並び、「100円ノートパソコン」が人気を集めるなど、すさまじい値崩れが起きているのだ。

 東京都心部のターミナル駅前にある家電量販大手のA店。今年3月発売のシャープ製の37型液晶テレビが「タイムセール!! 13万9800円でポイント30%」と表示されていた。購入時にもらえるポイント30%を値引きと考えると、実質9万7860円。発売当初、想定価格は26万円前後だったが、9カ月余りで実質10万円割れしていることになる。

 A店から100メートルほど離れたライバル店のB店に入り、同じ液晶テレビの値段を聞くと、担当者から最初に提示された額は、ポイント還元込みで12万円台半ば。そこでA店の価格を告げると、担当者は顔色を変えて「ちょっとお待ちください」と店の奥に。約5分後、「これが限界です」とはじいた電卓の表示は、13万5800円のポイント13%で実質11万8140円。値下げには応じてくれたが、A店には届かなかった。

 B店から200メートルほど歩いたところにあるのが大手のC店。店頭の表示はポイント込みで約13万円だったが、担当者にどこまで下がるか聞くと13万8900円のポイント10%で実質12万5010円を提示してきた。

 そこでA店の価格を口にすると、「それはかなり安いですねえ。でも負けたくないなあ。ちょっと待ってください」と姿を消した。A店の値引きが本当か調べたうえで検討しているようだ。5分以上たって戻ってきた担当者は「分かりました。ポイント込みでA店と同じ値段にさせていただきます」と対抗してきた。具体的な価格やポイントを把握して複数の店を回るというのは古典的な手法だが、それなりの効果はあるようだ。

 前出のA店では、パナソニックの37型プラズマテレビが10万8000円のポイント15%で、実質9万1800円。ソニーの40型液晶が実質11万9000円で、東芝の37型液晶が実質11万4000円。夏の北京五輪商戦で37型はポイント込みで15万円前後だったが、一段と値下がりしている。32型になると、実質6万8000円の液晶テレビもあった。

 調査会社、BCNの調べによると、12月1日から14日のボーナス商戦前半で、30型以上40型未満の販売台数は前年同月比約25%増と堅調だ。一方で、販売金額は同約6%増にとどまっている。

 BCNアナリストの道越一郎氏は「12月に入って値下げのペースが早くなっている。メーカーは売れ筋の30−40型の価格帯を下げ、数を売りさばこうとしているようだ」と分析。30−40型の平均単価は昨年12月比で約15%値下がりしている。

【景気悪化にらみ】

 薄型テレビ大手のシャープ、ソニー、パナソニック、東芝はいずれも今期の業績見通しを下方修正した。来年以降、景気が一段と悪化すると予想されるため、値下げをしてでも年内に売ってしまいたいという狙いがうかがえる。消費者にとっては「店頭の在庫が多く、数も売れている今の時期が店頭で値引き交渉しやすい」と道越氏はみる。

 一方、パソコン売り場で目立つのが、昨年の年末にはなかった「ミニノート」と呼ばれる5万円前後のノートパソコン。今年1月に台湾メーカーが発売して以降、海外メーカーを中心にシェアを伸ばし、国内メーカーも遅れて参入した。

 通信会社と契約を結べば、店頭価格100円というキャンペーンもブームに拍車をかけ、BCNの調べでは、12月1日から14日までの集計でノートパソコン全体の販売台数のうち約25%をミニノートが占めている。

 先の道越氏は「ミニノートの客を取り込もうとして、既存の10万円前後のノートパソコンの価格も下がってきている」と指摘。ノートパソコンでも値崩れ現象が起きている。

 消費者にとっては、値段が安ければ安いほどありがたい。しかし、家電メーカーは量販店への卸価格を下げないと優先して販売してもらえず、利益率の低下は免れない。

 規模が大きく販売力がある一部の大手量販店は、有利な条件で商品を仕入れて値下げする余裕があるが、対抗値下げで採算悪化に追い込まれる量販店も少なくない。

 米国では11月に家電量販店2位のサーキット・シティが経営破綻した。個人消費の低迷が続くと予想される中、メーカーや量販店の“負け組”が脱落する恐れもある。

ZAKZAK 2008/12/22

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