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まるで他人事…「リーマン・ブラザーズ証券」桂木社長

2008年お騒がせ経済人・下

 記者会見で、記者から「(言動が)他人事のように感じる」と言われ、「あなたとは違うんです!」と逆ギレして話題になった福田康夫前首相。経済界では、9月に破綻したリーマン・ブラザーズ証券(東京)の桂木明夫社長の会見も「まるで他人事だ」と不評を買った。

 リーマンでは米国本社に続き、日本法人のリーマン・ブラザーズ証券も9月16日、民事再生法の適用を申請した。不評を買ったのはその夜の会見での発言だ。

 桂木社長は会見の席上「日本では利益を出している」としつつも、経営破綻の理由について「外的要因が大きいことはだれもが認めるところだ」と言い放った。

 「まるで、自分の責任ではないと言わんばかりの物言いだった。リーマンの社債を引き受けて多大な損害を被った日本の金融機関や企業のことなど眼中にないような物言いに、経済界からブーイングがあがった」(大手銀幹部)という。

 桂木氏は東大法学部を卒業後、1977年に日本興業銀行(現みずほフィナンシャルグループ)に入行、約10年にわたり国際金融業務に携わる。88年に退社し、米バンカーズ・トラスト、米ゴールドマン・サックス東京支店を渡り歩く。

 さらに、桂木氏はモルガン・スタンレー・ジャパンにスカウトされ、投資銀行部門のトップに。スカウトしたのは、当時の同社社長で新生銀行前頭取(今年、引責辞任)のティエリー・ポルテ氏だった。

 外資系投資銀行を渡り歩く桂木氏はその後、リーマンのヘッドハンティングにかかる。

 「リーマンはウォール街最古の伝統をもっているが、ゴールドマンやモルガンという名門からは格下とみられ、身売りのウワサが絶えなかった。日本でも、旧財閥系など有力企業グループが取引するのはゴールドマンやモルガン。東京でも、ウォール街と同じ壁があった。リーマンはM&Aで商圏を狙うため、米投資銀行でキャリアを積んだ桂木さんに目をつけたのです」(金融関係者)

 2001年9月、桂木氏はリーマンの在日代表に就いた。リーマンはライブドアによるニッポン放送の敵対的買収に資金を出した。

 「MSCBと呼ばれる転換社債は、資金の出し手が必ずもうかる仕組みです。リーマンは800億円を出して150億円の利益を出した。ビジネスとしては大成功したものの、ハゲタカ外資という悪名がつき、その後のビジネスがやりにくくなった」(同)

 桂木氏の大失敗は、医療機関再生会社のアスクレピオスに資金提供し、巨額損失を出したこと。総合商社の丸紅を舞台にしたアスクレピオス社の詐欺話にはめられたのである。

 リーマンが手玉にとられたのは「二流の焦り」からとされる。ゴールドマンに追いつき追い越せでノルマ漬けにされた社員が、目先の利益に釣られて飛びついた。そこから浮かび上がってくるのは、稼ぐためには手段を選ばないハゲタカ外資の姿である。

 桂木氏はリーマンで、国際バンカー人生に汚点を付けたことになる。

ZAKZAK 2008/12/25

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