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減量手術で完治80%…糖尿病大国ニッポン(上)

 患者数、予備軍合わせて2200万人以上−。日本を急速に浸食し始めた糖尿病は、発症したら最後、「不治の病」といわれてきた。だが、最近の研究で「完治」への光も見えはじめている。手術療法、性ホルモンとの関係など気になる糖尿病最新事情を2回にわたり紹介する。

 糖尿病の脅威は世界的にも変わらない。WHOによると全世界の罹患者は2億5000万人、10秒に1人が糖尿病に関連して死亡している。そんな危機的状況打開のため、昨年9月初めて『糖尿病を手術で治療する』という新しい概念の国際会議がニューヨークで開かれた。

【きっかけは減量外科医の「ナゼ」】

 というのも、これまで減量外科医の間で「重症肥満者に減量手術をすると、なぜか糖尿病がある人は治ってしまう」という“偶然の産物”が確認され続けていたからだ。 「4種類ある腹腔鏡下の減量手術のうち、最も効果が高いのが胃を小さく区切って小腸とつなげる“胃バイパス手術(図)”。世界で年間数万件行われている症例で80%は術後、糖尿病の治療が不要になっている」と話すのは、国内の減量手術の第一人者、四谷メディカルキューブ(東京)の笠間和典部長。同医師が6年間に行ったBMI32以上の糖尿病患者35人に対する胃バイパス手術では、治癒率100%と完璧だ。

【ホルモンの分泌が鍵】

 減量手術でやせれば糖尿病がよくなるのは当たり前のように思うが、驚きなのは体重減少より先に急速に糖尿病が治ってしまう事実。

 1日にインスリン130単位必要だった人が術後3日目にはゼロ単位。その後も内服薬さえ必要とせずに、そのまま完治してしまう。ただ、なぜ治るのか、そのメカニズムがはっきり解明されていない。

 「ポイントは、食物が十二指腸を通らないこと、小腸を上にもってきていることの2点。胃や腸をいじることで、消化管ホルモンの分泌に何らかの変化が起きていると考えられます」

 たしかに術後は、食後の血糖値を抑えるのに欠かせないGLP−1というホルモンの分泌量が増加する。またGPL−1には膵臓のベータ細胞の増殖を促してインスリンの分泌をよくする働きがある。

【費用200万円以上】

 いま各国の製薬会社が膨大な費用を投入してGPL−1を分解する酵素を阻害する新薬を開発中だ。が、結局、一生飲み続けることには変わりなく、病状の進行は止められない。最近、コントロール不良の糖尿病の生涯医療費は推計5000万円超という発表もされた。その呪縛から解放されるとなれば、夢のような話だ。

 「手術費用は230−260万円するが、術後に合併疾患の改善などから3−5年でペイしてしまう」と笠間部長は話す。

 現在、米国やブラジルなどでは、この手術を肥満でない糖尿病患者に試験的に適用している。明日は性ホルモンとの関係を探る。

ZAKZAK 2009/01/31

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