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4人に1人“感染の現実”…恐怖の結核菌(上)

BCG接種でも

 24日は「世界結核デー」。抗生物質やワクチンが普及した日本では、結核は過去の病気と思われがちだ。しかし現在も、4人に1人が“感染”ともいわれ、その脅威は新型インフルエンザ以上ともいえる。知らぬ間に感染し、命を奪われることがあるのだ。

 ▼増える患者

 「日本では4人に1人が結核に感染しています。不況でストレスがたまると、免疫力が低下して発症しやすい。今後、患者数は増えると思う」と、財団法人結核予防会の山下武子理事はいう。

 結核菌は、細長い細菌で肺の中で増殖し、咳と一緒に空気に散らばり他人に感染する。およそ3分の1の人は、自分の免疫力で結核菌を死滅させられるが、3分の1は、結核菌をいわば眠らせてしまうキャリアの状態になる。さらに、3分の1は発症し、免疫力が極端に低下している場合は1カ月程度で亡くなるケースもあるという。

 ▼メタボは注意

 「糖尿病と結核は関係が深い。糖尿病の人は、結核に感染すると発症しやすいといえる」(山下理事)

 メタボな人は要注意だ。戦後普及した結核予防のワクチンであるBCGも、万能ではない。麻疹のワクチンのように2度受ければ、ほとんどの人が発症しないのとは異なり、BCGを接種した会社員でも結核になっている人はいる。

 「BCGは完璧な予防法とはいえません。もちろん、摂取したことで、発症したときに症状が軽く済みます。特に多剤耐性菌も増えているだけに、軽症で済むことは意義が大きい」(山下理事)

 ▼薬が効かない

 多剤耐性菌とは、幾つもの抗生物質に対して耐性を持つ細菌のこと。結核の薬は一般的に4種類の抗生物質で治療を行うが、2種類以上に耐性があると「多剤耐性菌」とされる。さらに、ほとんどの結核の薬に耐性を持つ「超多剤耐性菌」も、日本では多剤耐性菌の約30%に及ぶ。

 ▼肺摘出、長期入院、退職

 患者の中には、超多剤耐性菌の結核になり、片肺を摘出しただけでなく、5年以上も入院を余儀なくされている元会社員もいるという。職を失い、日常生活も破壊され…。

 「これは決して珍しい話ではありません。多剤耐性菌の場合、治療は長期間に及ぶことが多いのです。そして、他人へうつさないように入院しなければなりません」(山下理事)

 長引く風邪は結核を疑え。そして、きちんと診断ができる呼吸器科を受診するしかない。サラリーマンの身近に迫る結核について、次回は体験談を交えて紹介する。

【死に至ることも】

 結核菌により主に肺に炎症が起こる病気。肺の細胞が破壊され空洞になった部分でさらに菌が増殖し、出血を引き起こしたり、肺以外の臓器でも増殖を始める。初期症状は、咳や痰、発熱など風邪と同様。症状が進むと血痰や胸痛、吐血などが生じ、命に関わる。進行は比較的ゆっくりだが、免疫力が低下していると早い。1951年に「結核予防法」が制定される以前は、“亡国病”と呼ばれるほど罹患率が高かった。年々右肩下がりで罹患率は低下しているものの、結核菌は今も人から人へ渡り歩き、増殖の機会を狙っている。

ZAKZAK 2009/03/24

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