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08年は過去最悪1万件…破産企業急増のワケ

上場組は8社

 景気悪化が深刻化するなか、「破産」する企業が急増している。2008年の破産の申請件数は年間約1万件に達して、過去最悪となった。これまでなら、事業を継続しながら再建を目指す民事再生法などを活用するケースが多かった。日本を“破産列島”に変ぼうさせた背景には何があるのか−。

 年度末まであと1日と迫った3月30日、東証1部上場のマンション分譲会社、アゼル(東京)が東京地裁に自己破産を申請し、破産手続き開始決定を受けた。負債は約442億円。

 同社は「エンゼルハイム」ブランドのマンション販売を中心に、建設、金融、レジャー事業など幅広く手掛け、ピーク時の1997年3月期には約647億円の年間売上高(単体)を計上していた。

 ところが、折からの不動産不況で業績が悪化。昨年9月の米証券大手リーマン・ブラザーズの経営破綻以降、金融機関からの資金調達もままならなくなり、経営が行き詰まった。

 大手不動産会社の幹部は「アゼルが飛んだ(破綻した)と聞いても、特に驚きはしなかった」。ただ、「民事再生法や会社更生法を申請してスポンサーを探す方法もあったのに、破産を選択するとは思わなかった」と振り返る。

 景気悪化は今年に入って、さらに深刻化。大証ヘラクレス上場のIT関連企業、サイバーファーム(沖縄)、東証2部上場のアパレル会社、小杉産業(東京)などを含めて、昨年1月以降、破産した上場企業は8社=表=に上る。

 ゴルフ界の帝王、ジャック・ニクラウス氏のニックネームから生まれた「ゴールデンベア」ブランドを中心にカジュアルウエアの製造・販売を手掛けていた小杉産業。02年1月期から7期連続の経常赤字に陥っていたところに、昨秋のリーマン・ショックが追い打ちをかけた。

 「100年に一度といわれる経済危機のなかで支援スポンサーがまったく見つからず、破産手続きをとらざるを得なくなった」(アナリスト)という。

 東京商工リサーチによると、08年(1〜12月)に破産した企業数は非上場企業も含めて過去最悪の9351件。前年と比べて16.6%も増えた。今年に入ってからは1月に819件、2月に804件の破産が発生しており、過去最悪だった08年を上回るペースで推移している。

 急増の背景には何があるのか。東京商工リサーチ情報部の橋本邦夫課長の解説はこうだ。

 「やはり『100年に一度』の経済危機が大きい。経営が行き詰まった会社としても、2〜3年以内に景気が回復して売り上げ改善が見込め、再建計画を立てられるのなら、民事再生法や会社更生法を申請します。スポンサーを見つけられる可能性が高いからです。ところが、現状では景気回復の時期がまったく分からず、説得力のある再建計画を作ろうにも作れない。これが事業継続を断念し、破産を選ぶ最大の要因といえます」

 裁判所に破産を申請する際に納める諸費用(予納金)の低下も、破産の増加に拍車をかけているようだ。

 「裁判所によって異なりますが、東京地裁では00年から法人の少額管財制度が実施され、破産を申請するときにあらかじめ納める予納金が最低で20万円からになった。負債総額や事案の複雑さなどによって手続き費用が数百万円から1000万円以上かかる民事再生法や会社更生法に比べ、格段に低いことも破産件数の増加の遠因でしょう」(橋本氏)

 景気の先行きを見通せないなか、橋本氏は「破産が減ることはない」とみる。破産は会社を清算する処理方法。このままでは日本は文字通り、死屍累々の“破産列島”になりかねない状況だ。

ZAKZAK 2009/04/07

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