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「みずほは最も脆弱」ゴールドマン激辛リポート魂胆

 米ゴールドマン・サックス証券の辛口リポートが波紋を広げている。みずほフィナンシャルグループ(FG)について、「資本への懸念再燃」と指摘し、資本不足を埋めるには9000億円の増資が必要と分析しているのだ。みずほの財務面の弱さは折に触れて取りざたされるが、金融界では「ゴールドマンは何か意図があってこのリポートを出してきたのでは」との観測も浮上している。どんな意図なのか−。

 騒動の発端となったのは、ゴールドマンが3月31日付で出した「みずほFG Tier2資本をコールせず。資本への懸念再燃」と題されたリポート。みずほの株価はこの日、前日比9円安の188円と急落した。

 リポートが問題視したのは、みずほが2004年1月にアジアの富裕層向けに発行した永久劣後債(発行額15億ドル、配当利率年8.375%)。同劣後債で調達した資金は、自己資本のTier2(補完的項目)に参入されている。

 同劣後債の初回の任意償還が4月に設定されていたが、みずほは3月30日に買い戻し(コール)しないと発表した。

 リポートは、みずほが同劣後債を買い戻さないことが「銀行セクターの資本に対する懸念を再燃させる可能性があろう」と指摘。30日に「中立」から「売り」に引き下げたみずほ株への投資判断を31日も「売りを継続」とした。

 ゴールドマンのアナリストが辛口の分析をしたのは、同劣後債の買い戻しを見送ることが金融市場では“裏切り”とみなされるからだ。そのあたりを市場関係者がこう解説する。

 「劣後債とは、発行体が支払い不能に陥った場合の弁済順位が低い代わりに、高い利払いを受け取ることができる債券。投資家はこうしたハイリスクの債券を長期間保有したくないので、購入する際は、発行体が早く買い戻してくれることを期待している。ところが、みずほが買い戻しを行わないと表明したことで、投資家はハイリスクの債券を保有し続けなければいけなくなった」

 劣後債をめぐっては、ドイツ銀行が昨年12月、買い戻し可能な時期になったにもかかわらず、見送ったケースがあった。信頼第一の金融市場では前代未聞の事態とされ、「今後、ドイツ銀が資本不足に陥って劣後債を発行しようとしても、誰も引き受けないのでは」とまで批判された。みずほによる買い戻しの見送りは、ドイツ銀と同様の信頼失墜につながるおそれがあるというわけだ。

 ゴールドマンのリポートではさらに辛口の分析が続く。みずほについて「資本の質と量の両面において、国内で最も脆弱な銀行」と指摘。資本不足を埋めるには普通株発行による増資が必要で、「Tier1(中核的自己資本)比率を8%に引き上げるには、9000億円の資本が必要」としている。リポート内容に対し、みずほは次のように説明する。

 「今回の永久劣後債はもともとアジアの富裕層向けに販売された商品。01年から04年にかけて同様の永久劣後債は14件発行されているが、うち10件は買い戻しが行われなかった。今回の判断は慣例に従ったもので、投資家も買い戻しがないことを想定していた」

 この説明には一理あるようだ。リポートではさんざん不安を指摘しておきながら、「みずほのケースは、ドイツ銀のケースほどにはネガティブな影響は及ぼさない」とも述べている。

 これではゴールドマンがみずほの資本に懸念を持っているのかどうか分からなくなってしまう。市場ではリポートの意図についてこんな観測まで浮上している。

 「ゴールドマンはみずほに不利な情報を流して株価を下げたうえで、みずほの増資を引き受けようという魂胆があるのではないか」

 なんでもありの金融界だけに、あり得ない話ではない。

ZAKZAK 2009/04/14

みずほ銀行

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