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40年以上歴史も…日興の市況解説、打ち切り舞台裏

もはや存在意義薄れ

 兜町の名物がまた1つ姿を消す。日興コーディアル証券が40年以上にわたり続けてきた報道機関向けの市況解説が、この6月末で幕を閉じることになったのだ。その日の株式相場を分かりやすく解説してくれるレクチャーは記者の間でも人気が高かっただけに、惜しむ声は多い。突然の幕引きの裏には一体、何があるのか−。

 日興コーディアル証券の市況解説は、平日の午前10時、同10時半、午後2時の計3回、東京証券取引所(東京都中央区)にほど近い同証券の関連ビルで行われる。1回の所要時間は20〜30分。

 現在は同証券エクイティ部の西広市部長が担当しており、その日の日経平均株価の上昇・下落の要因などを詳しく解説してくれる。

 10年ほど前のこと。まだインドが今ほど注目されていない時期に、当時の担当者が「これからはインドが注目ですよ」と予言したことがあった。担当者と一緒にお茶をすすっていた記者連中からは「本当ですか。どうも信じられないなぁ〜」との声が上がり、インドをテーマに株談義に花を咲かせるといったことが日常的に行われた。

 市況解説の歴史はかなり古く、日興関係者によると「昭和40年ごろにスタートした」という。

 それが突然、幕を閉じてしまう背景には何があるのか。古参の兜町関係者はこう解説する。

 「昨年9月のリーマンショック以降の金融危機で、経営危機に直面した米シティグループは大リストラを断行している。傘下の日興コーディアル証券もその影響をモロに受けており、市況解説もその一環だろう」

 また、日興関係者によると、市況解説が本来の目的を果たせなくなり、日興内部でも存在意義が薄れていたことも一因という。

 「そもそも市況解説が始まった理由は、自社が推奨する銘柄をマスコミを通して広く一般に知ってもらい、その銘柄を買ってもらうことだった。ところが、1991年に起きた野村証券の不祥事(暴力団との取引、東急電鉄株の大量推奨販売)などを機に、証券会社が推奨銘柄を挙げて買いを勧めることが旧証券取引法で禁じられた。そのときから、市況解説そのものの存在意義が薄くなっていった」

 マスコミにとって分かりやすく解説してくれて重宝な市況解説も、日興にとってメリットは「ほとんどなくなっていた」(先の兜町関係者)というわけだ。

 日興コーディアル証券の持ち株会社である日興シティホールディングスを直撃すると、「現在の経済環境下における経営資源、事業コストの見直しを検討した結果、市況解説の終了という判断になった」(広報部)との返答。リストラが理由とあっさり認めた。

 最後の市況解説担当者となる西氏はどのように受け止めているのか聞いてみたかったが、言葉少なに「広報に…」と話すのみだった。

 親会社のシティグループは今月20日、日興コーディアル証券を売却するため、第2次入札を実施した。三菱UFJフィナンシャル・グループ、三井住友フィナンシャルグループ、みずほフィナンシャルグループの3メガバンクが応札し、早ければ月内にも売却先が決まる見通しだ。

 市況解説の終了は、売却先決定に向けた“身辺整理”の意味合いもあるようだ。

ZAKZAK 2009/04/22

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