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豚インフル感染拡大パニック…死者、壮・青年層にも

新型インフル発生宣言、ワクチンは半年後

 メキシコや米国など世界各地で感染者が急増している豚インフルエンザについて、世界保健機関(WHO、本部・ジュネーブ)は27日、警戒レベルを「フェーズ4」に引き上げた。これを受け、日本政府も新型インフルエンザ発生を宣言。最悪で国内の入院患者約200万人、死者は約64万人に達すると想定している。日本上陸、ワクチン不足、死者、経済停滞、情報不足からくるパニック−。近い将来、現実になるかもしれない地獄絵図を避けられるのか。

 WHOは27日夕(日本時間28日深夜)、豚インフルの警戒レベル(フェーズ)を従来の「感染がないか、ごくわずかな段階」の「3」から、「人同士の感染増加」を示す「4」に引き上げることを決めた。

 さらに、豚インフルが米国や欧州諸国などにも拡大していることを踏まえ、「大流行の兆しあり」の「5」に引き上げる可能性も示唆。「世界的な大流行(パンデミック)」となる最大レベル「フェーズ6」も決して机上のものではなくなる勢いだ。

 WHO報道官によれば同日までに、米国(40人)、メキシコ(26人)、カナダ(6人)、スペイン(1人)で豚インフルの人への感染が確認された。

 また、英当局はメキシコから帰国した2人の感染を確認、韓国もメキシコから帰国した韓国人女性1人に感染の疑いがあると発表した。感染が確認されればアジアでは初めて。

 メキシコ政府も、豚インフルに感染した疑いのある死者が149人に達したと発表。重度の肺炎で感染が疑われた1995人がこれまでに入院したという。

 次々と感染者が判明している米国は緊急事態宣言を出し、拡大には歯止めがかからない状態。従来のインフルエンザとは異なり、壮・青年層にも死者が出ていることも衝撃を呼んでいる。

 日本政府は28日朝、関係省庁の局長級による「緊急参集チーム」会合を官邸の危機管理センターで開き、具体的な対応を協議。同センターに設置していた官邸連絡室を、「新型インフルエンザの発生に関する官邸対策室」に格上げした。同日午前には、麻生太郎首相を本部長とする対策本部を設置し、昼に初会合を開いた。

【未曾有の事態に問われる首相の力量】

 政府はウイルスの国内侵入の「水際阻止」を目指す。感染地域から日本への航空機や船舶の到着地を、空港は成田、関西、中部、福岡の4カ所に、港は横浜と神戸、関門の3カ所に集約。ここでの検疫で発症の疑いがある入国者は隔離し、発生国からの外国人の入国を制限する方向。

 しかし、水際阻止に失敗し、国内で感染者が出れば、国民生活や経済が停滞することは確実だ。

 学校は臨時休校、企業には職場感染を防ぐため業務縮小が求められるほか、集会やコンサートだけでなく、外出や公共交通機関の利用自粛も求められ、国民生活はズタズタになりかねない。

 予防ワクチンや治療薬の不足も指摘される。発症後は指定医療機関への入院措置が取られ、抗インフルエンザウイルス薬「タミフル」などの投与を中心に治療がなされるが、悪質な買い占めなども予想される。政府は豚インフルへの予防ワクチンを優先的に開発・生産を製薬会社に要請する方針だが、完成までには少なくとも半年前後かかる見通しだ。

 舛添要一厚労相は同日朝の会見で、「国民の生命と健康を守るため万全の対策を講じる」とし、国民に対し(1)正確な情報に基づく冷静に対応(2)メキシコなど発生国への渡航を避ける(3)マスクや手洗いなど日常の予防策−などを求めたが、有効な予防策といえるのか。

 未曾有の事態の到来に、麻生首相の力量が問われることになった。

ZAKZAK 2009/04/28

インフルエンザ マスク

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