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「豚」だけじゃない…“外国産”感染症ジワリ拡大

世界的に拡大中

 依然、新型インフルエンザ上陸の脅威にさらされ続けている日本。ところでGW明けのこの時期、毎年問題になるのが海外帰国者のウイルスや細菌の“お持ち帰り”。空港の検疫をすり抜けた様々な「外国産感染症」は、国内でじわじわと感染路を拡大していく。怖いのは「豚」だけじゃないかもしれない−。

 「感染症には、蚊やダニを媒介するもの、水や氷など飲食を介するものなどいろいろある。新型インフルエンザ流行の裏で、海外渡航者が別の感染症にかかるリスクも考慮すべき」と警鐘を鳴らすのは医学ジャーナリストの松井宏夫氏。

 新型インフルエンザの陰に隠れた格好だが、厚労省などの調査によると今、世界的に被害が拡大している感染症は多い。いずれも新型のように飛沫感染で短時間の間で一気に感染拡大することはないが、蚊などが媒介となってじっくりと日本に根を下ろしていく。致死率が非常に高い厄介なものも多く、渡航者は注意が必要だ。

【狂犬病】

 一部の地域を除き世界中に広がりを見せている。年間で推計5万5000人が死亡。もはや日本は無関係とは言ってはいられない。実際、日本でも3年前に海外で犬に噛まれた日本人2人が帰国後に死亡したのは記憶に新しい。

 発熱や頭痛などの風邪のような症状で始まり、噛まれた部分の疼痛、筋肉の痙攣、脳に炎症が及ぶと錯乱、幻覚、水を怖がる恐水発作などの症状が現れる。発症すれば致死率は100%。有効な治療法はない。

【デング熱、デング出血熱】

 蚊を媒介に感染し、重症化すると出血することも。アジア、中南米、アフリカなどの熱帯・亜熱帯地域に広く分布し、毎年約5000万人の患者報告がある。マレーシアでは今年1万5000人以上が発症し38人が死亡。日本人帰国者も毎年数十人程度の感染が報告されていたが、昨年は104人と一気に増加した。

【マラリア】

 世界で約2億5000万人の患者と80万人以上の死亡が報告。アジア、中南米、アフリカなどの熱帯・亜熱帯地域に広く分布。熱帯地域特有のイメージがあるが昨年は日本人57人が感染している。

【チクングニヤ】

 デング熱同様、蚊を媒介とする感染症で突然の発熱や激しい頭痛などが特徴。東南アジア、インド、スリランカ、アフリカなどで流行中。マレーシアでは昨年4000人以上、タイでは今年1万人以上の患者報告があった。日本人も今年2月までに5人が海外で感染。

【体調チェックは厳重に】

 新型インフルエンザ同様、海外から帰国したら体調チェックは厳重に。異変を感じたら保健所に相談し、感染拡大を防ぐ努力を。

■まだまだある、赤痢、エボラ出血熱…

 この他、発展途上国の滞在でダントツに多いのが食べ物や水から感染するA型肝炎や赤痢、コレラ。帰国後に下痢や腹痛、倦怠感、黄疸などの症状が出たら危ない。エボラ出血熱はアフリカのサルや人から感染する。発熱、疼痛、吐血、下血などの後、急速に悪化し約1週間で亡くなることもある。同じくアフリカのマールブルグ病も発熱、頭痛、発疹から重症化すると鼻や口、消化管などから出血する。

 ウエストナイル熱は北米地域で毎年数千人の感染報告があり05年には米国滞在中に感染した日本人1人が帰国後に発症。今後注意が必要だ。

ZAKZAK 2009/05/12

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