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盛況なのは投げ売り…マンション上向き観測の“不安”

発売戸数の減少率は改善も

 大型連休中もマンションのモデルルームが活況を呈し、「マンション市況もいよいよ底入れか」との期待が強まっている不動産業界。民間シンクタンクの調査でも薄明かりが差してきそうな数値が出ている。ただ、これを鵜呑みにすることはできなさそうで、大手不動産会社幹部は「甘いんじゃないの」と一蹴する。市況はいつになったら上向くのか−。

 分譲マンションのモデルルームで、年間を通してもっとも多くの来場者が訪れるのがゴールデンウイーク(GW)だ。中堅不動産会社の関係者は「今年のGWは気が気でなかった」と明かす。円高を追い風にした海外旅行者の増加や、「1000円高速」による国内旅行者の増加で、来場者が大幅に減少するのではないかとの懸念があったからだ。ところが…。

 「いざふたを開けてみたら、新型インフルエンザの影響なのか海外旅行はそれほどでもなく、天候も崩れたため国内旅行にお客さんを奪われず、うちのモデルルームはまずまずだった」(中堅不動産会社の関係者)

 不動産経済研究所が今月18日に発表した首都圏(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県)の4月の新築マンション発売戸数は、前年同月比8.5%減の2621戸。減少率が18カ月ぶりに1ケタ台にとどまった。

 同研究所は「在庫処分が進み、価格値下げによる需要喚起や政策効果への期待で、マンションの新規供給を増やそうという機運が出てきている」と分析。5月には、発売戸数が対前年同月比で増加に転じるのではないかとみている。

 世界的な金融危機に伴い、不動産市況が急速に冷え込むとともに、金融機関の不動産向け融資が絞り込まれた結果、経営が行き詰まる不動産会社が続出。長いトンネルに入り込んだような状態になっていただけに、業界には「底入れ」を待ち望む声が強い。

 一方、財閥系の大手不動産会社幹部は「底入れ? 見通しが甘いんじゃないの」と首をひねり、「(底入れが近いようにみえるのは)希望的観測だろう」と話す。

 「当社を含めて各社のGW中のモデルルームの来客状況を聞くと、前年比でよくて微減、感触として『よくなかった』との声が圧倒的だ。活況だったところもあるが、それは大幅に値下げした物件や、マンションの再販業者による投げ売りマンションのモデルルーム」(大手不動産会社幹部)という。

 発売戸数の減少率が大きく改善しているのは事実だが、その点についてはこう指摘する。

 「マンションの販売在庫をみると、直近のデータで約8800戸。ひところの1万戸よりは減っているが、妥当ラインを6000戸とするとまだまだ在庫は多い。そもそも業界では、潜在在庫はこのデータ(約8800戸)の2倍との見方もあり、供給過剰との認識が強い。普通に判断するなら積極的に新規発売する状況ではない」(同)

 では、いつになったら市況は上向くのか。

 「ここ10年の間に雨後の竹の子のように出てきた新興不動産会社で、体力のないところの淘汰はまだ進む。市場の改善はそれが一段落してから」(同)とみる。

 不動産業界に“春”が訪れるのは、まだまだ先のことのようだ。

ZAKZAK 2009/05/22

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