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新型インフル、首都圏感染広がれば…経済損失5兆円

東証、銀行は閉鎖

 新型インフルエンザは23日午前までに全国で318人の感染者が確認されているが、発熱患者の中には“判定”を恐れて診察に行かなかったり、単なる風邪と診断されている人が多数いるとみられる。来週以降、首都圏の感染者が一気に表面化すれば、関西と同様の混乱が生じるのは確実。首都機能の麻痺は政治・経済に大打撃を与える。専門家によると、その経済損失は実質GDPの1%、最大5兆円にも達するという。

【週明け感染表面化で一気】

 東京都の石原慎太郎知事は22日の定例会見で、報道や政府の対応などについて、「感染した人を逐一報告している国は日本ぐらいじゃないの?」「ちょっと騒ぎすぎじゃないのかね。大変だ、大変だと(報道も)連呼しすぎ」と批判した。

 しかし、関西で起きている人から人への感染が、政治経済の中枢である首都圏で一般化すれば、影響は関西の比ではないのも事実。

 「大企業の本社機能はストップし、工場閉鎖で生産、流通も壊滅。新型インフルが永田町や霞ケ関で流行すれば、政治や行政も立ちゆかなくなる。GDP(国内総生産)比で0.5%から1%のマイナス、金額で2.5兆円から最大5兆円程度の経済損失となり、国家的危機を迎えることになります」

 こう話すのは、明大教授で経済評論家の高木勝氏。新型インフルは医薬品関連企業にとっては“神カゼ”だが、全体でみれば戦後最大の国家危機につながるのだ。

 「経済で最も心配なのは、東京証券取引所や銀行の閉鎖。決算機能や個人消費も含めた経済活動すべてが麻痺します。一時的でも日本全体のヒト、モノ、カネの流れが完全に停滞する非常事態で、ETC一律1000円策や定額給付金などの経済刺激対策の効果は吹っ飛んでしまいます」

【工場ストップで生産・流通マヒ】

 いち早く新型インフルが流行した関西地区(大阪、京都、兵庫、滋賀)の経済損失を「800億円」と資産した宮本勝浩・関西大大学院教授(数理経済学)も、首都圏での感染拡大には大きな懸念を抱く。

 宮本氏の試算は修学旅行の中止やホテルのキャンセル、イベント中止、大学の休校による周辺の飲食店やコンビニへの影響などをもとにした。首都圏(東京、神奈川、千葉、埼玉)で同規模の試算をすると、結果は比較にならないほど大きい。

 「関西の場合、各府県の経済規模マイナス0.1%を足し合わせて800億円と試算しました。同じ割合の損失なら、2.5倍の規模の首都圏は1620億円の経済損失になります。しかし実際には、経済規模の大きさに比例して損失も拡大するため、最大でマイナス1%、金額にして1兆6200億円程度の損失でもおかしくありません」

 イベントにしても東京や横浜では大規模コンサートに加え、数千人単位の学会や世界的なイベントが毎日のように開催されている。人口が多い分、マスク不足はより深刻化、休校となる学校数もケタ違いに多い。影響は関西の二乗三乗で拡大する、というのだ。

 宮本氏は「首都圏でも関西と同じレベルで『外に出るな』『身動きをとるな』『集まるな』となれば、影響は甚大。商店街の連鎖倒産など、新型インフルによる2次3次の被害も起きかねない。すでに新型インフルは弱毒性とされている。規制が強まらないことを願うばかりです」と祈るような気持ちで首都圏の動向を見守っている。

ZAKZAK 2009/05/23

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