プリップリ「魔法のエビ」は砂漠育ち…すしネタ輸出へ
日本の技術協力で発展
サウジアラビア西部の紅海沿岸で、広大な砂漠ときれいな紅海の水を利用し、日本の技術協力でエビの養殖が行われている。「アラジン魔法のエビ」の名前で日本にも輸出されており、サウジの対日輸出額では、石油や関連品を除けば上位を占める品目。近い将来「すしネタ」としての輸出も目指している。
2003年に行われた養殖所の開所式にはアブドラ皇太子(現国王)も出席。各国要人の視察も相次ぐ。不毛の地を利用し、石油だけに頼らない産業構造への転換を目指すサウジの新たな試みとしても注目されている。
商都ジッダの南約180キロの街アルリス。見渡す限りの砂漠にいくつもの大きな養殖池が見える。サウジ大手財閥傘下の国内唯一のエビ養殖加工会社「ナショナル・プローン・カンパニー」だ。
作業員が小舟から網を投げ入れると、たくさんのホワイトエビがかかった。たらいの中で跳びはねる生きの良さ。「これが雄。こちらが雌」。病気を防ぐため、池に入れる数を制限していると、同社経営企画部室長シャフィク・アハメドさんが説明してくれた。
甲子園球場の2000倍という広大な敷地に縦250メートル、横400メートルの養殖池が256。12年までに第2期工事が完了すれば、池は約600に増える見通しだ。
日本は世界有数のエビ消費国で、大半を東南アジアなどから輸入する。養殖池造成のためにマングローブ林が伐採され、環境破壊が長年問題となっているが、ここは砂漠の中。環境にやさしいことも売りの1つだ。
世界的なダイビングスポットでもある紅海はきれいな海水で知られる。塩分が高く、日光をふんだんに浴びて育ったエビは身が締まり、うま味成分も多いという。安全な環境で育ち、急速冷凍で高い鮮度を保っている。
稚エビのふ化から養殖、冷凍加工、餌づくりまで一貫した生産体制。現在は年間1万数千トンを生産、うち日本の大手商社双日が3000〜4000トンを買い付け、天ぷらやサラダ用などとして日本を中心に東南アジアに輸出。日本では大手スーパーの店頭にも並ぶ。日本財務省によると、サウジからのエビ輸入額は年間17億円(08年)に達する。
旧日商岩井(現双日)からエビ養殖の技術移転を受け、研究開発を何年も続けたといい、アハメドさんは「数々の失敗を重ねてここまでたどり着いた」と振り返る。
双日サウジ駐在事務所の穂坂辰男所長は「品質管理が世界一厳しく、常においしさを求める日本に輸出ができるようになったことに皆誇りを持っている」と話した。(共同)
ZAKZAK 2009/06/20
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