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自覚症状ないまま…ピロリ菌5000万人感染の恐怖

胃痛(クリックで拡大)

 新型インフルエンザは依然として猛威を振るいウイルス感染者数は世界で4万4000人を突破した。ところで日本人5000万人が感染している細菌がある。ピロリ菌だ。長年にわたりピロリ菌が巣食った胃は、粘膜はボロボロ、自覚症状がないまま臓器が破壊されていく−。

【5歳までに感染】

 「通常は5歳くらいまでに感染し、胃の中で少しずつ場所を変えながら炎症を引き起こしています。40歳の人ならば、少なくとも35年間はダメージを受け続けていることになります」と、ピロリ菌の専門医・東京医科大学病院内視鏡センターの河合隆教授はいう。

 人間がピロリ菌に感染するのは、ほとんどが免疫力が弱い乳幼児期。食べ物や水からの経口感染だ。衛生環境が現代よりも悪い時代に感染した人が多く、50代では7割、10代〜20代は1割程度といわれている。

 「例えば20代の人が、乳児期に感染していれば10年以上もの間、ピロリ菌と“共存”していることになる」(河合教授)

 ピロリ菌に感染した胃は長期的に様々なダメージを受ける。胃の粘膜で増殖し胃の細胞を傷つけるだけでなく、胃酸を中和する働きがあるため他の細菌が育ちやすくなる。

 これら悪環境が重なり慢性胃炎を発症。しかし、この時点では自覚症状はほとんどない。

 「実際に内視鏡で見ると、赤くなった慢性胃炎が見られます。しかし、この段階では症状がないため、放置されやすい」(河合教授)

 炎症を起こした胃の粘膜にストレスが加わると、粘膜が大きく破壊されて潰瘍が深く形成され、胃・十二指腸潰瘍に。さらに恐ろしいのが胃がん。ピロリ菌は人種によって影響力が異なることが研究によって分かっているが、「ピロリ菌と胃がんの関連は疫学調査などでも報告されていますが、不思議なことに、日本人は先進国の中でも突出して多い」(河合教授)。つまり、ピロリ菌に感染した日本人は胃がんを発症しやすいともいえるのだ。胃炎、潰瘍、さらにはがんを誘発するピロリ菌。予防は発症する前の「除菌」。

【まず感染チェック】

 自分がピロリ菌に感染しているかどうかは、簡単な呼気テストや血液、尿検査、内視鏡検査などで分かる。感染していた場合、薬の服用で除菌も可能。ただし除菌が保険適用となるのは現在、胃・十二指腸潰瘍患者のみ。慢性胃炎の8割にピロリ菌感染が見られるともいわれている。

 日頃から胃の不快感を感じることの多い人は一度調べてみてはいかがだろう。

 ■ピロリ菌対抗策

(1)人間ドックなどを受けた際に、ピロリ菌の有無を調べる。できれば除菌。

(2)朝食をしっかり食べる(一晩中活動していた細菌の動きを封じ込めるのに役立つ)

(3)大豆や鰹節など、植物性タンパク質をとるように心がける(たとえば味噌汁)。

(4)もずくやヨーグルトなど、ピロリ菌の嫌がる食材をとるようにする。

(5)なるべくストレス発散を心がける。

ZAKZAK 2009/06/24

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