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危険!まかり通るブレーキなし暴走自転車「ピスト」

明らかな道交法違反も野放し状態

 エコで健康的、ということで自転車がブームになっている。なかでも、「ピスト」と呼ばれる競技用自転車が若者を中心に流行しているが、愛好者の中にはブレーキを外して公道を走る者もおり、違法性と安全面から問題視されている。あなたの気づかぬうちに、街中を“暴走自転車”が走り回っているのだ。

 「ピスト」は、競輪などのトラック競技で使用される競技用自転車(トラックレーサー)。形状はロードレーサーに似ているが、変速機がなく、ペダルの動きと後輪の動きが直結する固定ギアになっている。走ることだけを追求したシンプルな構造に、米ニューヨークのメッセンジャーたちが注目してブレーク。2006年ごろ、日本でもブームが起きた。国内の販売店も増えているが、ここにきて問題が起きているという。

 東京・渋谷で自転車販売店を営む男性(28)は「ピストは保安部品がないため、そのままでは道交法違反になり、公道は走れません。販売の際、車両に保安部品を取り付けて引き渡していますが、『ブレーキなしで乗るのが格好いい』と、勝手にブレーキを外して乗る人が後を絶たないのです」と話す。

 実際、若者が多く集まる原宿や渋谷を歩くと、ガードレールや店先などにブレーキなしのピストが多くとめられていた。

 明治通り沿いの衣料品店で働く男性(23)も、ブレーキなしピストを通勤に使っている。男性は「人車一体となる独特の感覚が気持ちいい。ブレーキがなくても、慣れればどうってことはない」と言う。一緒にいた友人の男性(31)も「近いうちに購入する。事故が増えていると聞くが、実際に乗ると、そんなに危ない感じはしない」と悪びれずに答えた。

【「素人が技術で事故回避など無理」】

 しかし、前出の店長は「前・後輪どちらかにブレーキを付ければ法令上は問題ないとされていますが、万全とはいえない。まして、坂道が多い日本でブレーキなしで走るなんて自殺行為。技術で事故を回避することは無理です」と警告する。

 事故ではないが、ピストは過去にも騒動を起こしている。

 07年4月、ナイキジャパンがピストと若者の写真に「ブレーキなし。問題なし。Just do it」とコピーをつけた壁看板を渋谷に設置したところ、「道交法違反を誘発する」などと批判が集中、翌日に看板を撤去する騒ぎとなった。今年4月には九州朝日放送(KBC)が番組で「絶対モテる!本格自転車」とピストを紹介したが、視聴者から苦情が殺到し、番組内で謝罪するハメになった。

 人気は高いが危険度も高いピストに対し、社団法人自転車協会は「いまのところ対策をとる予定はない」と回答。財団法人自転車産業振興協会も「本来、公道では乗れないもの。われわれがどうこうする話ではない」といい、ピストは事実上、野放し状態。悲惨な事故が起こらないことを祈るばかりだ。

ZAKZAK 2009/06/30

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