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販売から嘆き節…プリウス快走でも喜べないウラ事情

「カローラ」など大衆車が食われる

 不況のなか、快進撃を続けるトヨタ自動車のハイブリッド車「新型プリウス」。6月の新車販売台数ランキングではぶっちぎりの1位に輝いた。その裏で不遇を囲っているのが、大衆車の代名詞ともいえる「カローラ」や「マークX」で、販売台数がプリウスに食われ落ち込んでいる。こうした状況はトヨタにとって吉と出るのか、凶と出るのか−。

 カローラの6月の新車販売台数は6468台と前年同期から半減した。軽自動車を含む販売台数ランキングで12位、軽を除いた登録車ベースでも8位と振るわなかった。今年上半期(1〜6月)の累計でも、軽を含めて11位、登録車ベースで5位と低迷している。

 トヨタの経営に詳しい自動車ジャーナリストは「カローラといえば、トヨタだけでなく日本を代表する量産車。登録車ベースでトップか2位が定位置だったのだが」と、その凋落ぶりに驚く。

 そして、巨額赤字に転落したトヨタが復活を目指す上での問題点が、実は「カローラの惨憺たる状況に象徴されている」(先の自動車ジャーナリスト)というのだ。

 新型プリウスは排気量が1800ccだが、電機モーターがつくため、パワー的には2400ccクラスと同等。内装は旧型プリウスのものよりグレードアップしている。

 「本来なら250万円前後の設定」(販売店幹部)となるところだが、最低価格が205万円に設定された。これにエコカー減税が加わり、自動車取得税や重量税がゼロになると、180万〜200万円程度のカローラと価格的にはほぼ同等になる。

 販売現場からは「客がプリウスにしか興味を持たない」との嘆き節も。人気がプリウスに偏り、価格的に同等のカローラのユーザーのほか、主力のセダン車「マークX」や「クラウン」のユーザーのなかにも新型プリウスに乗り替えるケースが出ているという。

 トヨタの豊田章男新社長は6月25日の就任会見で、「何台売るのか、どれくらい利益を出すのかではなく、どのような車がその地域で喜んでもらえるのか、どのくらいの価格ならばお客さまに満足いただけるのかということを考え、車づくりを行う」と、商品ラインアップの一新を宣言。その第1弾が「プリウスだ」と続けた。

 これはトヨタが薄利多売のビジネスモデルに転換することを意味する。プリウスが他のトヨタ車を食う状況がしばらく続くことになり、カローラなどの主力車は“失権”することになる。

 トヨタは2009年3月期に4160億円の連結営業赤字に転落。10年3月期も8500億円の赤字を見込む。豊田社長は11年3月期の黒字転換を目指す考えだ。

 経済ジャーナリストの池原照雄氏は「トヨタの原価(製品の製造にかかる費用)低減は公表数値(年間8000億円)を上回るだろう。市場が少しでも上向けば、グループで年間800万台の生産が可能で、その段階では収支トントンで黒字もある」とみる。が、11年3月期に黒字転換するかは経済環境にもよるため極めて不透明だ。

 復活に向けてプリウスと“心中する”トヨタ。薄利多売の「プリウスの副作用」(先の自動車ジャーナリスト)が気にかかるところだ。

ZAKZAK 2009/07/13

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