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映画切手が起こした奇跡

1.日本を代表する20作品発行

2.1本の新聞記事きっかけに

3.鶴田浩二の素晴らしさを再評価

4.邦画を愛する思いが集結


1.日本を代表する20作品発行


【夏目雅子「独特のオーラ」が蘇る】

日本映画切手(現代版)には、夏目雅子の「瀬戸内少年野球団」をはじめ、「男はつらいよ」「蒲田行進曲」「蘇える金狼」「HANA−BI」など名作が並ぶ
日本映画切手(現代版)には、夏目雅子の「瀬戸内少年野球団」をはじめ、「男はつらいよ」「蒲田行進曲」「蘇える金狼」「HANA−BI」など名作が並ぶ
 「歴史に残る、映画切手のモデルに選ばれたことは光栄だよ。すごく嬉しい。映画が大好きだった雅子も喜ぶと思う」

 女優、夏目雅子の事務所社長だった其田則男(76)はこう語る。今秋、日本郵政公社が発行する日本映画切手の1つに、夏目の主演映画「瀬戸内少年野球団」が選ばれたのだ。

 夏目は昭和51年にテレビドラマ「愛が見えますか」のヒロインに選ばれて女優デビュー。翌52年、カネボウ化粧品のキャンペーンガールとなり、「クッキーフェイス」のCMで爆発的人気を得た。

 其田が夏目と出会ったのは、その直後だった。

 「人をひきつける華やかさと素顔の魅力があった。感性も良かった。雅子は『芝居をきちんとやっている俳優さんが所属する其田事務所に入りたい』と言ってきた。伸びると思って引き受けた」

 20代後半に日本を代表する女優になることを目指した。日本映画は斜陽期に入っていたが、テレビのレギュラーはできるだけ断り、映画や映画のような作り方をする2時間ドラマを中心に売り込んだ。

 「鬼龍院花子の生涯」や「魚影の群れ」「二百三高地」などの映画で女優としての階段を着実に上っていたが、60年、舞台公演中に急性骨髄性白血病で倒れ、27歳という若さで急逝した。切手となった「瀬戸内少年野球団」は遺作となった。

 当時から「女優、夏目雅子」に注目していたのが、映画切手発行を目指して、平成6年から1人で活動してきた日本映画撮影監督協会理事の青木圭志(64)。

 「日本映画は世界に誇れる偉大な文化。素晴らしい俳優や女優も多く、心に残るシーンも多い。ぜひ、切手にすべきだ」と、自ら俳優や女優、監督などの肖像権許諾に走り回り、手弁当で映画切手の見本を作った。

 そのモデルの1人もやはり夏目だった。

 「独特のオーラを持つ女優だった。彼女が生きていたら素敵な映画が撮れただろうに」

 映画切手で夏目に支払われる肖像権料は、自らも白血病治療薬による「脱毛」という副作用に悩んだ彼女の遺志で、白血病患者にかつらを無償で貸し出すために設立された「ひまわり財団」に寄付される。

 今回発行が決まった映画切手のデザインを見ながら、其田は目を細めてこう言った。

 「いい映画に出合えて『さあ、これから』という時期だったから…。もし、雅子がこの切手を手にしたら、ロケ先からお母さんに絵はがきでも書いたんじゃないかな」

 ◇

 日本郵政公社は今年10月10日、戦前から現代までの代表的な日本映画20作品を題材とする記念切手20種類を発行する。日本映画を愛し、この切手発行に奔走した人々のドラマに迫る。(敬称略)(矢野将史)



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