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中朝国境ルポ
〜北の国から2006夏〜

1.中国の警備隊員も「貧乏だろ」とあざ笑うサビだらけの鉄道

2.1日1往復の貨物列車が唯一の交流のどかな町に緊張感

3.公安にマークされ連行

4.新商売!?“高級”画廊を発見


2.1日1往復の貨物列車が唯一の交流のどかな町に緊張感


【脱北者が命がけで持ち出した勲章、メダルが豊富に】

川を風呂代わりにする少年兵たち。左から2番目の石を手に持つ少年は、記者めがけて投石してきた=北朝鮮・慈江道
川を風呂代わりにする少年兵たち。左から2番目の石を手に持つ少年は、記者めがけて投石してきた=北朝鮮・慈江道
 北朝鮮と中国を隔てる鴨緑江(おうりょくこう)を船で進む。すると体中にせっけんをつけ、パンツ1丁でゴシゴシ体を洗う少年兵の集団が見えた。船を近づけさせて「おーい」と声をあげて手を振ったが、兵士たちは無視。しばらく凝視していると、少年兵の1人は体を洗うのをやめて、こぶし大の石をフルスイングで船めがけて投げてきた。

 投石でわかるように古くから親密なはずの中朝両国の関係は、国境の町では意外と冷え込んでいた。国境となる鴨緑江の川幅は50メートル足らずだが、越境する人の姿はない。「そこら中に監視所やトーチカがあるだろう。向こうから川を渡ろうとする者がいれば、その場で狙撃される」(国境沿いに住む住民)。

 実際、ガリガリにやせてボーッとはしているが、国境警備隊の兵士は2人1組で銃を抱え、草間でじっと座って脱北者を警戒する姿もみえる。のどかな田舎町も川縁だけは緊張感に包まれていた。

 この地域で唯一やりとりがあるのは1日1往復の貨物列車だけ。駅の近くにあった商店主は「朝鮮の工業製品を売る店は、この町でウチだけだ」と語る。店主自慢の商品はアルミ製の鍋。大きさが直径30−50センチほどの鍋が、無造作に土間へ重ねて置いてあった。「値段は1つ40元(約560円)。大きいやつは50元(700円)だ」というが、新品にしてはあまりに薄汚い。黒々としたほこりのみならず、白くて怪しい物質が浮き出ている。

 ひどい汚れを指摘すると店主は「持って帰って自分で洗ってくれ」。

 「ほかに北朝鮮製の物はないか」と聞くと、奥の部屋にあった箱から200ウォン札と10ウォン札を取り出し、「朝鮮の紙幣だ。買わないか」と勧めてくる。工業が遅れているためか、北の製品を町中で探したが、返ってくるのは「没有(メイヨー)(ない)」の一言だけだった。

 一方、意外に豊富だったのは脱北者や中国人の商人が北から持ち出した勲章やバッジ、軍帽の記章など。骨董(こっとう)品を扱う店の店主は「やはり脱北者が命がけで持ってくる場合が多い。見つかればこれだよ」と、銃を構えるジェスチャーをしてみせる。

 国家的英雄に与えられる国旗勲章をはじめ、軍功メダル、体育分野の功績をたたえる勲章と、ありとあらゆる“栄光の証”がさびた状態で店先に並んでいた。1個500−1500円。値切ろうとすると店主は「命がけで運んできたものを安くできるか」と一歩も引かない。それどころか北の5大名山、金剛山(クムガムサン)の絵はがきや、同じく名山、妙香山(ミョヒャンサン)のロシア語ガイド本といったワケのわからないモノも「買ってくれ」と迫ってきた。

 まともな輸出工業製品はミサイルぐらいなのかもしれない。(北朝鮮取材班)



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