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松井秀喜
〜一番長い夏・1〜

1.ゴジラ、野球人生初の挫折

2.一瞬で途切れた連続出場記録

3.隠し続けてきた「おびえ」

4.皮肉にもケガが世代交代を加速


1.ゴジラ、野球人生初の挫折


【両手打撃の許可、5度肩すかし】

医師の検査の後、記者会見に臨んだ松井=11日、ヤンキーススタジアム
医師の検査の後、記者会見に臨んだ松井=11日、ヤンキーススタジアム
 表情が硬い。持ち前の明るさは消え、声は明らかに上ずっていた。

 「診断の方は、かなりよくなっているみたいですけど、えー、それでとりあえず練習メニューの方は、えー…。今はちょっと軽い練習メニューにしていましたけど、今まで通りに戻すという感じですね。まだ両手でのバッティングはもう少し待て、ということですね」

 両手での打撃練習再開は先送り−。回復ぶりを強調しつつ、たったこれだけの結論を述べるのに、何と回りくどい言い回しだろうか。

 8月11日、ヤンキースタジアムの記者会見場。チーム医師の検査を受けた松井に両手打撃の許可は出なかった。再開へ期待を持って臨んだ負傷後、6、8、10、12週間目の検査でいずれもゴーサインは出ず、肩すかしはこれで5回目だ。この日は5月11日の負傷からちょうど3カ月目で、当初、復帰の目安といわれたタイミングだ。

 現状はどうか。実戦どころか両手での打撃練習すら始められない。骨は完全にくっついても、靱帯(じんたい)に残る痛みがフルスイングの障害になる。

 復帰への見通しも「うーん。もう少し、かかりそうな感じはしますよね。だから引き続きね、リハビリとトレーニングを続けていくしかないです…、ハイ」と、さらなる長期戦を覚悟。消えそうな語尾から落胆の大きさがうかがえた。

 チーム医師からの報告は、トーリ監督の表情を曇らせた。

 「(復帰まで)どのくらいかかるのか分からない。来年のためにも一番重要なことは、100%健康体でないと使えない、ということだ」

 これまで再三、復帰は9月と繰り返した指揮官が、初めて来季にズレ込む可能性を口にした。

 最高責任者のキャッシュマンGMはどうか。検査の数日後に「松井は2006年だけの選手ではない。09年まで契約もあるし、ずっと松井が必要だ。焦って来年を台なしにしたくない」と、力点を今後3年間に移した。つまり、松井はこの検査で今季の戦力構想から完全に外されたのだ。

 この9日前。松井は8月中の復帰に「可能性はある」と希望を持っていた。ところが時がたつにつれ「9月」、「来年」が口をついた。復帰プランそのものを白紙撤回。さらに首脳陣の“戦力外構想”を伝え聞くと「治って、戻れると思って、戻してくれたら戻るけど。戻してくれなかったら、戻れないし」と力なく答えた。

 こんな弱気な姿を今まで見たことがあっただろうか。これが、あの松井なのか。鉄人、ゴジラと呼ばれてきた男なのか。

 ×  ×  ×

 星稜高、巨人、ヤンキースと順調に歩んできた松井が、野球人生で初めて立ち止まっている。プレーできない初めての夏は想像以上に長く、辛く、そして険しい。今季中の復帰が疑問視されるほどの重傷を負いながら、何に希望を持ち続け、何に耐えているのか。その内面に迫ってみる。



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