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プラチナチケットの現場から

1.富士総合火力演習

2.リニアモーターカー

3.NHK紅白歌合戦

4.黒人グルーピー


3.NHK紅白歌合戦


【競争率250倍の割には感動なし】

壮大な紅白も、現場で見ると意外にあっけない=平成10年「第49回NHK紅白歌合戦」
壮大な紅白も、現場で見ると意外にあっけない=平成10年「第49回NHK紅白歌合戦」
 視聴率低迷が叫ばれて久しいながらも、大みそかの定番といえばやはり「NHK紅白歌合戦」だ。国民の半数がみる人気番組の現場は、当然ながらプラチナチケットの最高峰としてそびえる。

 例年10月下旬−11月上旬まで往復はがきで受け付ける観覧希望には全国から応募が殺到。NHKホールの客席3000に対し、平成16年には約76万通の応募、倍率たるや約250倍!! しかも入場できるのは1通につき1人限定(現在は2人)と、チケット入手はもう「奇跡」を望むしかない。

 8年前の秋−。当時まだ学生だったが、なけなしのバイト代をはたいて往復はがき60枚(6000円)を購入。指が痛くなるまで「NHK放送センター」と書きまくり、全滅を避けるため毎日、数通ずつ分散して投函(とうかん)。そして「奇跡」のチケットを手中にした。

 12月31日午前10時、放送開始まで10時間もあるにもかかわらず、東京・渋谷のNHKホール前には100人以上の列ができていた。当選はがきにはしっかりと「先着順ではありません」と注意書きがあるが、多くの人が何となく「早めにきた方がいい」と察し、集まっていた。

 師走の寒風が吹きすさぶ中、ひたすら時が過ぎるのを待つ。厳しい環境を共有する者同士、自然と仲間意識が芽生える。ほどなく前後に並んだ見知らぬ人との談笑が始まった。  名古屋から小学生の子供2人を連れてきたという40代のパパは「500枚ワープロで印刷して4枚当たった」という強運の持ち主。「トイレに行く」と席を立ち、戻ってくると「これをみてくれよ」と両手には1万円札が何枚も…。

 「ダフ屋が声をかけてきてさぁ、1枚いらないから売ったら8万円にもなった。すごいねぇ」とパパ。今をときめくアーティストがひしめく紅白、転売は違法だが、現場周辺では札束で「プラチナチケット」を求める人々も存在するようだ。

 午後6時すぎ、はがきを指定席券に交換。針すなお画伯が描いた司会者(中居正広、久保純子)のうちわと、ペンライトが渡された。席は2階席1列目。拍手の練習は意外にあっさりと終わり、すぐに本番がスタートする。前半は若いアーティストが次々と登場し、それなりに盛り上がった。

 美川憲一Vs小林幸子の衣装対決はテレビで見れば豪華だが、現場では後ろでつり上げるクレーンがうっすら見えたりと、妙にリアルで感動しない。午後10時を回ると疲労で眠くなり、サブちゃんが歌詞を忘れるアクシデントもウトウトして見逃す始末…。午前零時、カウントダウンが終わり幕が下ろされたが、いつものおごそかな「年越し」雰囲気はまるでなし。壮大と信じていた紅白も実際にはあっけないものだった。

 家に帰り、ビデオをチェックすると、T・M・レボリューションが歌う次のカットで一瞬、頭が映った。このときの瞬間視聴率は57.8%。「俺を国民の半分がみた」という優越感は、今でも心に刻まれている。



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