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VSいじめ
〜子供と向き合う大人たち〜

1.荒れた学校救った「おやじの会」

2.「生の声」が響く京華学園演劇部

3.フリースクール高崎学園


1.荒れた学校救った「おやじの会」


【「生きジゴク」自殺が引き金】

 いじめやいじめに伴う自殺が全国で吹き荒れている。教師までもいじめに加担していた末期的な事実も明らかになった。なぜ人は人を追い込むのか? その凄惨な連鎖の断絶に取り組む人々を追ってみた。

 ≪俺だってまだ死にたくない。だけどこのままじゃ生きジゴクになっちゃうよ≫

 昭和61年2月、中野区立中野富士見中学校2年の鹿川裕史君=当時(13歳)=は、岩手・盛岡駅ビルの地下トイレ内に遺書を残して命を絶った。自殺の引き金になったのは、同級生による暴力と恐喝といったいじめ。子供だけでなく、教師4人も加わり、陰湿な「葬式ごっこ」が行われていたことも発覚し、世間は唖然とした。

 あれから20年、世間の耳目を集めた富士見中を訪ねてみた。

 「事件を機に『おやじの会』が発足しました。現在も地域の牽引役として活動、貴重な存在となっています」(牧井直文校長)

 おやじの会は事件1カ月後に在校生の「おやじ」約50人によって結成された。現在も当時のメンバーが中核だ。事件当時、PTA会長だった同会事務局長の矢口正行さん(65)は「事件前から学校はすでに荒れていました。授業中に平然と生徒が出入りすることも黙認されていたような有り様でした」と振り返る。

 大人の抑止どころか、子どもの顔色ばかり気にしていた。父親は子どもを母親と学校に任せきりだった。「それが1人の生徒の悲痛な死で目を覚ました。親の責任を強く感じ、私たちが何とかしなくちゃと立ち上がったんです」(矢口さん)

 おやじの会は積極的に体育祭などの学校行事に参加し、ロックバンド大会や餅つき大会を企画したり、生徒たちとのコミュニケーションを図ることに力を注いだ。

 効果絶大だったのが、「ナイトウォーク」。夜から朝にかけて都内数十キロを踏破する。辛いのは大人も子ども同じ。励まし合い、苦難を一緒に乗り越える中で心が通い合い始めた。今ではすっかり夏の恒例行事として定着した。父親ならではの企画力・実行力に学校や保護者、生徒も信頼を寄せた。

 「行事で生徒がだらしなければ、おやじの雷が落ちる。いい意味で威厳があるから、生徒もおやじに一目置くし、素直になる」(牧井校長)

 会の活動資金は、商店街の祭りや地域の花火大会での出店で賄う。これもおやじの知恵だ。商店街の祭りの屋台には副校長も立つ。おやじは商店街で生徒を見れば、気軽に声をかける。たむろする子どもに「悪いけど、ちょっと手を貸してくれよ」と自分の店を手伝ってもらうこともある。子どもたちは実に素直に動いてくれるという。

 「都会では学校と家庭がバラバラで、地域なんてあってないようなものです。それを繋げ、活性化させるのが、ガンコおやじの役目なんです。お父さんたちに、家族が住む街づくりに参加してほしいですね」



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