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職業は旅人

1.セダン車で103カ国

2.ガイド経験生かし執筆活動まで


1.セダン車で103カ国


【12年半かけ地球を一周】

 多くの人が旅行を楽しむ黄金週間。そんな中、旅を生業にした人を「追跡」してみた。

 ◇

 「もともと、お客さんに売った車がきれいだったので、5万円で下取りさせてもらった。当時のメーターは2万9000キロ。それが今は29万キロを超えた」と語るのは、兵庫県尼崎市の山崎達矢さん(44)。ファミリー向けセダン車のカリーナで12年半、地球一周の長旅を終えて昨年12月、帰国した。

 自動車販売会社の営業マンだったが、旅人となる決意をしたのは1994年7月、31歳のとき。

 「小さいころから地図を見るのが好き。学生時代に植村直己の本に影響を受け、世界一周するのが自分の夢だった。社会人になり、夢を先のばしにしていたが、年齢的にここで動かないと動けなくなると思った」

 当初、バイクで挑戦しようとしたが、「100万円ぐらい改造費がかかる。だったらこれで行くか」と、86年製の車に荷物を詰め、カナダから旅をスタートした。

 「結果的に車を選んで正解だった。車内で寝ると予想以上に快適」。整備工場は世界中にあり、調子が悪くなると行く先々で修理を依頼した。また、中古自動車部品販売「伸生」(大阪)が部品取り用に同型車1台を提供し、旅を支えた。

 難所だったのがアフリカ。「モーリタニアからマリへは地図上に道があるので大丈夫とタカをくくっていたが、雨で道が水没してしまった。ガソリンの残量が少ないのに人の背丈もあるブッシュ(藪)の中を方向もわからず走った」。不幸は重なり、マラリアを発症。熱っぽい体のままガス欠で遭難寸前のところで「細いわだちを見つけて命拾いした。それ以降、道がわからない場合は、必ずガイドを付けた」。

 さらにほぼ全域で悪徳警官が旅の行く手を阻んだ。「ナイジェリアでは検問を超えたと思ったら500メートル先にまた検問があり、『何かあやしい』とイチャモンを付けてきた。領収証の出ない出費は絶対にしないのが旅の信念。支払いを拒むと6時間も調べられたり、南アフリカでは威嚇射撃された上、銃口を向けられた」という。

 「安住の地を探すのも目的の1つだった」という旅は北米、南米、欧州、ロシア方面、アフリカと回り、アジアに入ってタイを出たころ「日本がいいと思うようになった」

 そして昨年12月、豪州を横断してニュージーランドのクライストチャーチで旅を終えた。訪れた国は103カ国、費用は1500万円を超えた。

 ずっと一緒だった愛車は、世界一周した希有なセダン車として福山自動車時計博物館(広島県福山市)で展示されることになった。「もう旅には出ないが、だれかに旅の記録を読んでもらい、何かを始めるきっかけにしてくれれば」と、現在は旅行記を発行してくれる出版社を探している。

 「会社の同期は偉いさんになって家を一軒建てた人がいる。私はこれまでの経験が財産となった。あのとき旅に出る判断をして本当によかった」と笑顔で語った。

 ◇  ◇

 山崎さんのホームページはhttp://taff38.hp.infoseek.co.jp



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