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職業は旅人

1.セダン車で103カ国

2.ガイド経験生かし執筆活動まで


2.ガイド経験生かし執筆活動まで


【数年前は引きこもり】

 南米やフィリピンを旅しながらライター、取材コーディネーター、通訳、貿易商…とマルチに活躍している片岡恭子さん(38)=東京都新宿区。今でこそ華やかな肩書が並ぶが、ほんの数年前は引きこもりだった過去を持つ。

 大学院修了後、図書館司書に就職したもののスペイン語を習得しようと、3年半で退職。マドリードに留学する。語学力を試そうと留学期間を終えた後も長期間、中南米を放浪した。

 「スペイン留学の時点で日本に留まって生活をするのが嫌だった」というが、帰国後は将来を見据えて地元の滋賀に戻り、派遣社員として金融関係の仕事に就いた。だが、結婚を視野に入れていた遠距離恋愛が破局し、仕事にもなじめず半年ほどで退職してしまう。

 ビジョンを失い、「とりあえず何もせず、1日中寝るような生活が続いた。精神的なバランスが崩れ、死のうとも考えた」。転機となったのが2001年9月11日に発生した米での同時多発テロ。「同じ大学の先輩が犠牲となった。エリートで家庭を持っている人でも突然、ああいうことになってしまう。だったら好きなことをしよう。ここにいるよりマシでしょう」と旅人としての再出発を決意した。

 「先住民族は日本人と同じモンゴロイドだから興味がわくのかもしれない」と南米にひかれて2度目の長期旅行に出たが、旅人として生計を立てる以上、単なる放浪では終わらせなかった。

 「パラグアイの日系企業で勤務し、ベネズエラでは現地の旅行代理店でガイド兼通訳として働いた。そのうち、テレビやラジオ番組のコーディネートの仕事もこなすようになった」。ガイドの経験ですっかり南米の秘境に強くなり、旅行ライターとしてもデビューする。

 04年冬に帰国。ガイド時代の人脈で今度はフィリピンに求人があると聞き、3カ月後には現地へ飛んだ。日本語教師のアシスタントとして活動するうち、フィリピンの事情にも精通するようになり、今では旅行ガイドの執筆を手がけるまでになった。

 「最近の旅行は、仕事を意識しているので楽しくない」というが、「日本で会社勤めしていたらまた息苦しくなる。旅することをキャリアに、収入につなげないといけない」と南米、フィリピン、日本を行ったり来たりの生活が続く。

 中南米の情報をまとめたホームページには引きこもりで悩む人から「どこに行ったら強くなれるのか?」というメールが舞い込むこともあるという。

 自身の経験を踏まえ、「引きこもりはぜいたくなんですよ」と断言する。「貧富の差があるところに行けばいい。ショック療法みたいなもので、行けば何とかなる」。旅はこうも人生を変えるものなのだ。(鎌田剛)=この項、終わり



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