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消された肖像
〜発掘!北朝鮮切手〜

1.古アルバムから読み解く“渦中の国”

2.“神格化”過程が如実に

3.都合が悪くなると“抹消”


1.古アルバムから読み解く“渦中の国”


【初期に発行されたものは、多くが複製品】

1940−50年代の切手。多くが再印刷されたものだった=高英起氏提供
1940−50年代の切手。多くが再印刷されたものだった=高英起氏提供
 1940−60年代に北朝鮮で発行された切手を収めた1冊の古い切手アルバムが大阪で見つかった。小さくとも、当時の北朝鮮が画策した重要なメッセージが込められ、存在そのものが消し去られた「幻の切手」も半世紀以上の時を経て、再び日の目を見ることに…。北の切手がいま、世界に語るものは何か。

 切手アルバムは、テレビディレクターの高英起(こう・よんぎ)氏(40)の大阪府八尾市にある実家から見つかった。

 「60年代、僕が小学校に入る前はまだ朝鮮総連の力が強かった。その影響で、宣伝用のレコードなど北朝鮮グッズがうちにもたくさんあった。ところが、親父も死んで、俺も北に反旗を翻していく中で、そんなものがあったことは記憶から消えていた」

 一昨年、実家を取り壊すことになり、荷物を整理していた高氏の妻が偶然、押し入れからアルバムを発見した。

 ほかの北朝鮮グッズの多くは処分したが、機転を利かせた妻がアルバムだけ手元に残してくれた。

 「おそらく、買ったものではなく、何かのおまけにもらったのでは。値打ちのないと思っていた」という高氏だが、「もしかしたら研究者、マニアが喜ぶバックボーンがあるかもしれない」と、発見以来、気にかけていたという。

 今回、アルバムを鑑定したのは切手の博物館副館長、内藤陽介氏(40)。郵便資料から、国家や地域のあり方を読み解く「郵便学」の第一人者で、2001年には北朝鮮切手を通して用語を解説した「北朝鮮事典」(竹内書店新社)を執筆している。

 アルバムをめくった内藤氏は早速、1ページ目で手を止めた。そこには1946年3月、北朝鮮で初めて出された切手があった。大きさはつめの先ほど。質の悪そうな紙にオレンジ一色刷で奇岩が印刷されている。

 「これはリプリント(再印刷)されたものです。本物は透き通ったような紙で白紙ではない。紙は生活水準が出るんです。結局、海外のコレクター向けに売ろうというときに在庫がない。なきゃ作ればいいということでリプリントされた。オリジナルから書き起こしているので絵がきれい」(内藤氏)。つまり、当時から外貨稼ぎのため公然と“複製品”を売っていたワケだ。

 消印が共通している点にも着目。「切手の在庫を外国に売るため、まとめて押したもの」といい、実際に使用されたものではなかった。

 内藤氏によると、現在の1枚当たりの市場価格は30−50円。切手市場には100−200枚単位で流通することが多いという。だが、1枚1枚を注意深く分析すると、金親子の権力構造の推移が浮かび上がってきた。



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