−−日活ロマンポルノ女王たちの今−−
生誕から30年の歴史(3)

「宇能鴻一郎の貝くらべ」主演の寺島まゆみさん

 かつて“ロマンポルノの聖子ちゃん”と呼ばれた寺島まゆみさん(39)は現在、9歳の娘と7歳の息子の2児の母。

 多忙な家事の合間を縫って取材に応じていただいたが、「うれしいです。それだけ青春の1ページにかかわった証ですから」。

 待ち合わせの喫茶店に先に来ていた彼女は、ピンクのセーター、黒のカーディガンとピンクのズボンという鮮やかなファッション。以前は丸顔で愛らしい印象だったが、いまも「若妻」で通りそうな色っぽさ。

 「きれいなお母さんですねって言われるでしょう」と聞くと、「娘とは友だち感覚で、『お母さんみたいにふざけたお母さんはいないよ。いつも笑っているから』と言われます。あと、うちにいるときは、エプロンを外さないので、エプロンお母さんですね」。

 エ、エプロン? (ああ、妄想が…。イケナイ)

 デビューのきっかけは偶然だった。「事務所にスカウトされ、日活にあいさつに行くと、オーディション中のレストランに連れていかれ、ノコノコ行くと、監督が『君はだれなの?』『この子に決めた』って」

 両親の反対で1度は断った。だが、日活のプロデューサーらが都内で焼鳥店を経営している実家まで来て、「大切に育てます」と口説いたという。「母は首を縦に振らなかったが、父は『お前が一生懸命やれる世界なら、反対しない』と言いました」

 芸名は撮影所(調布市)の食堂で決まった。「生まれが墨田区向島の、かつて寺島町と言われた町だったから」だそうだ。

 今回、インタビューして驚いたのは、彼女が日活で活動した期間はわずか2年弱だったこと。主演作15本、親衛隊まで現れ、本家・松田聖子にも負けないスーパーアイドルとして一世を風靡したのだ。

 「一時は電車にも乗れないくらいでした。今は自由で、電車にも乗れるし、ゆったりと歩ける。両方知っているから幸せですね」

 “日活卒業”後も、しばらくは歌手やラジオのDJとして活躍。子供2人には、かつて「女優」の仕事をしていたことを話したが、まだ「ポルノ女優」だったことは伝えていない。「なんでハダカなの? ときちんと理解できるようになれば、記念の写真を見せようかなと思っています」

 子供思いで、5、6年前のヘアヌードブームのころは「写真集出しませんか? とひっきりなしに電話がきたが、(子供のことを考えて)断った」という。

 (わかるなあ、その気持ち。でも、ちょぴり見たかったけど…)

 最近、女優復帰も計画中とか。「以前は、人の旦那さんを奪っちゃうような派手な役柄が多かったから、フツーの人の日常を演じてみたい」

 とはいえ、取材が終わると、「あー、これから走れば、子供が学校から帰ってくるのに間に合うから」と家路を急いだ。まだまだ子育てに忙しい日が続く。

【メモ】 昭和36年3月31日生まれ。東京都出身。昭和56年、「宇能鴻一郎の貝くらべ」でデビュー。「聖子のふともも・女湯小町」など一連の“聖子”シリーズに出演、大人気を呼んだ。63年、俳優の小林宏史と結婚。仲人は古尾谷雅人・鹿沼えり夫妻。ポルノアイドルグループ「スキャンテーィーズ」でコンビを組み、のちに作家に転身した北原リエは親友。「子育てやパンのおいしい焼き方など、主婦の立場で情報交換している」という。

(宇都宮滋一)


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